九博・三輪館長退任へ 今月限り 準備から13年、礎築く
九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)の三輪嘉六館長(77)が3月末で退任することが14日、分かった。2005年に開館した九博の初代館長で、同館設立準備室長時代を含め13年間、九博の礎を築いてきた。四つの国立博物館を傘下に置く独立行政法人国立文化財機構(東京)は後任選びを進めている。
三輪氏は岐阜県出身。日本大文学部史学科卒業後、学校教員を経て奈良国立文化財研究所に勤務。東京国立文化財研究所修復技術部長や文化庁文化財鑑査官、日本大教授などを経て02年4月、九博(仮称)設立準備室長に就任した。
05年10月、九博は東京、奈良、京都に次ぐ4番目の国立博物館としてオープン。初代館長に就いた三輪氏は「日本文化の形成をアジア史の視点で見る」という理念を軸に多彩な展覧会を開催するとともに、アジア各国の博物館・研究機関との連携を積極的に進めてきた。入場者数は累計1200万人を突破し、九博は九州最大の集客力を誇る文化施設に成長。福岡県やボランティアとの協力関係を深めながらつくり上げた地域密着型運営スタイルも新時代の博物館のあり方として注目を集めた。
=2015/03/15付 西日本新聞朝刊=