北朝鮮情勢

韓国、南北会談を提案 9日、板門店で高官級

 【ソウル=名村隆寛】韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相は2日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日の「新年の辞」で平昌(ピョンチャン)五輪への代表団派遣の用意と南北対話の可能性を表明したことを受け、南北当局者の高官級会談を9日に板門店で開催するよう北朝鮮側に提案した。提案は記者会見を通してなされた。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2日、金正恩氏の発言を「歓迎する」と表明し、南北対話の早期再開と北朝鮮の五輪参加に向けた準備を閣議で指示しており、提案はこれに従ったもの。

 趙氏は会談の提案について米国と事前協議したことを明らかにし、「北朝鮮の反応は少し待たなければならない」と述べた。その上で、文在寅政権発足後、断絶状態にある南北の連絡チャンネルを再開し、会談の議題や出席者を具体的に決める意向を示した。2日午前と午後に接触を試みたが応答はなかったという。

 一方、平昌五輪の会場である江原道(カンウォンド)の崔文洵(チェ・ムンスン)知事は2日、北朝鮮側と今月15日にも接触する予定であることを明らかにした。北朝鮮はこれまで、緊張緩和などに向けた文在寅政権からの南北会談の提案を無視、拒否し続けてきた。

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