09年度新車販売、「プリウス」初の首位
自動車業界団体が6日まとめた2009年度の新車販売ランキング(軽含む)は、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が初の首位だった。エコカー減税などを追い風に3月まで10カ月連続で首位を独走、昨年来の環境車人気を象徴するヒット車種となった。ただ最近は小型車やミニバンなどへも売れ筋車種のすそ野が広がっており、今後は縮小する国内新車需要を巡って競争が激しくなりそうだ。
プリウスの09年度の販売台数は08年度比3.9倍の27万7485台。昨年度首位のスズキ「ワゴンR」(19万3430台)に8万台以上の差を付け、ハイブリッド車として初の首位に立った。
ホンダのハイブリッド車「インサイト」も9万6616台を販売し、トヨタの主力乗用車「カローラ」(9万6765台)に続く10位と健闘した。ハイブリッド車がエコカー普及時代の「大衆車」として定着した格好だ。09年度のハイブリッド車の販売台数は合計45万台強となり、総販売台数(488万台)に占める比率は9.3%と前年度から7ポイントも上がった。
トヨタは昨年5月にプリウスの新モデルを発売。エコカー減税や新車購入補助金の導入も重なり、昨年来のエコカー人気をけん引してきた。ただ今年2月にブレーキの不具合が表面化、新規受注が大幅に減るなど一部では人気に陰りも出ている。
今年3月単月の車名別販売台数をみると、ホンダ「フィット」が前年同月比44%増えたほか、トヨタ「ヴィッツ」も24%増と小型車の躍進が目立った。日産自動車「セレナ」など、多人数が乗れて使い勝手のいいミニバンも販売を盛り返している。
同日、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2009年度の輸入車販売台数は、前年度比7.8%減の18万3677台と21年ぶりの低水準だった。