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夫婦別姓を認めない民法などの規定は憲法が保障する「婚姻の自由」に違反するとして、事実婚の男女7人が国に損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は22日付の決定で原告側の上告を棄却した。規定を「合憲」とし、原告に敗訴を言い渡した1、2審判決が確定した。
裁判官5人全員一致の結論。弁護士出身の渡辺恵理子裁判官と学者出身の宇賀克也裁判官は、国の賠償責任は否定したが、「規定は違憲だ」とする意見を付けた。渡辺裁判官は、現在の規定は姓を変えるか、法律婚を断念するかの二者択一を迫るもので、「婚姻の自由を制約する」と指摘した。
原告は東京都内の男女6人と広島県内の女性1人。2017年に行われた内閣府の世論調査で選択的夫婦別姓の導入容認派が過去最多の42・5%となったことなどから、「国が立法措置を取らないのは違憲だ」と主張したが、1、2審判決は「規定が合理性を欠くとは認められない」と退けていた。
夫婦別姓について、最高裁大法廷は15年12月の判決と21年6月の決定で規定を合憲と判断した。ただ、21年6月決定では裁判官15人のうち、宇賀裁判官を含む4人が違憲と判断していた。