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抄録
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アカエゾマツ(Picea glehnii)はマツ科トウヒ属の常緑針葉樹であり、抗菌成分を含有することが報告されているが、詳細な情報はほとんど知られていない。そこで、主要な乳房炎原因菌に対するアカエゾマツの抗菌活性を評価した。ペーパーディスク試験において、アカエゾマツ精油は、黄色ブドウ球菌や大腸菌など、全ての供試菌に明確な阻止円を形成し、他のマツ科植物と比較しても抗菌活性が高いことが示された。また、精油の分子量を4つの分画に分けて活性を評価した結果、30kDa 以下の成分中に抗菌成分が含まれていることが推測された。黄色ブドウ球菌では精油と直接接触しなくとも阻止円を形成したことから、揮発性成分に対しても感受性が認められた。一方、大腸菌には抗菌活性を示さなかったことから、両者に対して抗菌活性を示す成分は異なる物質であることが示唆された。MIC およびMBC 値はグラム陰性菌において高値を示したため、グラム陰性菌はアカエゾマツ精油への感受性が低い傾向にあると考えられた。
収録刊行物
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- 北海道獣医師会雑誌
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北海道獣医師会雑誌 62 (5), 135-139, 2018-05
北海道獣医師会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050002212666715008
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- NII論文ID
- 120006798183
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- HANDLE
- 10659/00006359
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles