相次ぐ土砂災害の被害を受け、広島県は30日、土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)が優先的に開発を図る「市街化区域」内にある場合、開発を抑制する「市街化調整区域」へ段階的に編入する方針を明らかにした。県民の居住地を数十年かけて山裾など災害リスクの高いエリアから平地へ誘導する狙いで、対象は13市町で計約1万カ所とみている。都道府県単位で取り組むのは全国初となる。

 13市町は、広島、呉、三原、尾道、福山、府中、大竹、東広島、廿日市の9市と、府中、海田、熊野、坂の4町。いずれも都市計画法に基づく市街化区域や調整区域がある。市街化区域を調整区域に編入するのは、通常の手続きの反対で「逆線引き」と呼ばれる。

 編入作業は、市街化区域内にあるレッドゾーンのうち、市街化区域と調整区域にまたがり、住宅や店舗のない農地など約800カ所を先行させる。県と市町が地権者や周辺住民への説明会を開くなどして合意形成をし、2024年度の編入を目指す。

 ▽全ての編入を終える時期は…