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直径16.5メートルパラボラアンテナ 22年夏、あわらに設置 

2020年12月16日 05時00分 (12月16日 09時45分更新)

福井工大に新設される大型パラボラアンテナと同型のアンテナ=(c)Datron提供 

 福井工大 JAXAと共同研究

 福井工大(福井市)は十五日、あわら市北潟のあわらキャンパスに、大型のパラボラアンテナを新設し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所と地上局の開発や人工衛星との通信を共同研究すると発表した。地球から約百八十万キロ離れた人工衛星と通信できる高性能のアンテナを、JAXA以外では同大が国内で唯一所有することになる。同大で会見した掛下知行学長は「宇宙開発に貢献し、若者が集まる宇宙産業の拠点をつくりたい」と展望を語った。 (籔下千晶)
 同大は既に三基のパラボラアンテナを所有しており、二〇〇三(平成十五)年から本格的に人工衛星データ活用の研究を開始。一六年には宇宙研究のプロジェクトが文部科学省の補助事業に選定され、地球を周回する独自の超小型衛星開発にも取り組んでいる。

パラボラアンテナと大学独自の人工衛星との運用について説明する掛下学長(左)や中城教授(右)ら=15日、福井市の福井工大で

 共同研究で使用するアンテナは直径一六・五メートルで、二二年夏に完成予定。JAXAと東京大が開発し、月の裏面などを観測する「エクレウス衛星」との通信が主な目的。衛星のバッテリーや温度センサーの情報を受け取ったり、信号を送って衛星の軌道を決めたりする。
 同大は二一年度中に直径三・七メートルの小型パラボラアンテナも設置し、開発した超小型衛星向けに運用する。
 データを解析する地上局では他の人工衛星から受け取った画像などを活用して環境保全につなげる。プロジェクトは大学の教育課程で進め、宇宙産業に関わる人材育成も目指す。
 JAXAとの共同研究代表を務める同大工学部の中城智之教授は「研究は月や宇宙の探査に重要なテーマで、大学一丸となって取り組む」と述べた。オンラインで参加したJAXA宇宙科学研究所の藤本正樹副所長は「宇宙に携わる若者が育つことを歓迎する」と話した。

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