蹴鞠作り復活の四半世紀 目指すは優雅な蹴り心地
京都の保存会で史料もとに工程探り、製造に必要な機械も自作 山本隆史
「アリ」「ヤア」と声をかけあい袴(はかま)姿で鞠(まり)を蹴り上げる。1400年ほど前に中国から伝来した蹴鞠(けまり)は、みやびな宮廷文化として発展した。明治期に衰退したが、1907年、京都市に保存会が発足して文化を伝える。
白い鞠は鹿革製で直径20センチメートルほど、重さは120グラムくらい。私は現在、会で唯一の作り手だ。鞠師と呼ばれる職人が途絶えてしまい、文献をひもといて復活させた。それから...