政府は21日付で2019年春の叙勲受章者を発表した。令和に改元後で初めて。今回最高位の桐花大綬章には寺田逸郎前最高裁長官(71)を選び、俳優、市村正親(70)、ジャズトランペット奏者の日野皓正(76)らに旭日小綬章を贈る。受章者は桐花大綬章1人、旭日章991人、瑞宝章3233人で計4225人。女性の受章者数は401人、民間人は1984人で、いずれも03年の制度改正以降、最多となった。
「ばんざい!」。市村は両腕を突き上げ、「お年玉にボーナス、宝くじが当たってしまったよう」と独特な表現で旭日小綬章の受章を喜んだ。
高校時代に見た劇団民藝の芝居に影響を受け、舞台役者の道へ。俳優の故西村晃さんの付き人を経て劇団四季に入り、1973年にデビュー。以後、40年以上にわたり舞台に立ち続ける。
昨年他界した劇団四季の創設者で演出家、浅利慶太さんに「17年間、芝居のしの字から教えてもらった」と振り返る。「師匠の西村晃さんがもらえなかったものを弟子がもらえた。お墓の中で『いっちゃん、おめでとう』といってくれていると思う」と感謝した。
2007年には紫綬褒章を受章。妻で女優、篠原涼子(45)から「あなたばかりもらってどうするの。もらいすぎじゃない」と祝福されたという。「僕は全てにおいて恵まれている。2人の子供にも恵まれましたしね」と笑った。