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長野県警が、交通事故現場での実況見分調書の見取り図に、小型無人機「ドローン」の空撮画像を活用している。従来、手書きの地図に地上で撮った写真を添付して作成してきたが、上空から現場を広角に捉えることができるため、捜査の効率化や正確性の向上につながると判断した。全国の警察に先駆けた取り組みで、死亡事故などの刑事裁判でも証拠採用されている。
事故が起きた際、警察官は、現場で当事者や目撃者に話を聞きながら、事故状況を確認する実況見分を行う。結果をまとめた調書は検察庁に送られ、裁判で重要な証拠となるため、関係車両の位置関係や道幅などを正確に計測、記録した見取り図が不可欠だ。
ただ、多重事故などではタイヤ痕や車の破片といった痕跡が広範囲に散らばり、手書きの地図に落とし込むには時間と労力がかかる。見取り図にドローン画像を用いれば、作業時間が大幅に短縮され、現場周辺の通行止めが長引く事態を避けることにもつながるという。
ドローン画像の活用のきっかけは、2011年に長野市で起きた死亡ひき逃げ事件。飲酒運転の車に少女2人がはねられ、1人は約700メートル引きずられて死亡し、もう1人は重傷を負った。道路には200個を超える破片などが散乱し、通常はA3判1枚の見取り図が21枚に上った。
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