一川保夫防衛相は17日午前、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に移設するため、環境影響評価書を年内に同県に提出する意向を伝えた。藤村修官房長官も17日の記者会見で「年内に提出する」と述べた。
一川氏は会談後の会見で「環境影響評価の最終的な作業に入っているということを知事に報告させていただいた。年内にしっかりと提出できるような態勢に持ち込みたい」と語った。
環境影響評価(アセスメント)は、ジュゴンやサンゴなど生態系への影響や騒音を調査する。提出を受けた知事は90日以内に意見を防衛省に伝え、政府は必要があると判断すれば移設計画の中身を修正する。環境影響評価の手続きを終えれば、防衛省は辺野古沿岸部の海面埋め立てを沖縄県知事に申請する方針。
ただ、埋め立ての許可権限を持つ仲井真氏は会談後、「きちんとした評価書になっていなければ、埋め立て承認はそう簡単にはいかなくなる」と記者団に述べ、埋め立て許可に慎重な考えを改めて示した。一方、藤村氏は「(評価書提出から知事の意見提出までは)事務的な手続きとしては進んでいくと思う」としたうえで、今後の埋め立てを申請する時期については「いつにするかは決まっていない」と述べた。
普天間移設をめぐっては、9月の日米首脳会談でオバマ大統領が具体的な進展を要求。一川氏は25日、来日するパネッタ米国防長官と会談する予定で、評価書提出を含めた日本側の取り組みを説明するとみられる。