認知と受容の高まりを反映か…… アメリカのZ世代、6人に1人は「LGBT」を自認

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Hannah Cauhépé/Getty Images

  • アメリカでは、成人の5.6%が自らをレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーと認識していることがギャラップ(Gallup)の最新調査で分かった。
  • 5.6%という数字は、これまでで最も多い数字だ。
  • 専門家は、アメリカにおける性的マイノリティーの受け入れが進んだ結果ではないかと話している。

ギャラップの最新調査によると、アメリカでは自らをLGBTであると認識している成人の割合が、これまでになく増えている。18歳以上のアメリカ人の5.6%が自身をレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーと認識していることが分かった。

2017年の調査(4.5%)からは約1%、2014年の調査(3.7%)からは約2%増えた。

LGBTを自認する人の割合は1997年から2012年の間に生まれた「Z世代」で特に高く、16% —— およそ6人の1人の割合 —— だった。

性的少数者の擁護団体「GLAAD(中傷と戦うゲイとレズビアンの同盟)」のサラ・ケイト・エリス(Sarah Kate Ellis)代表は、これは今から約50年前にストーンウォールでマーシャ・P・ジョンソン氏によって最初の石が投げられて以来、アメリカにおけるLGBTの受容のために長年戦ってきた活動家たちのおかげだと考えている。

「今回の調査結果は、認知と受容が組み合わさると、一気にクローゼットのドアが開くことを示しているのだと思います」とエリス氏は語った。

調査をしたLGBTの人々の半数以上が「バイセクシュアル」を自認

調査は1万5000人のアメリカ人を対象に、彼らのセクシュアリティーやジェンダーについて聞き取りで行った。調査対象者にそれぞれのカテゴリーに「はい」「いいえ」で答えてもらうのではなく、自分がどのカテゴリーに当てはまると思うか、「その他」という選択肢も用意した上で詳しく説明してもらった。

LGBTを自認する人のうち:

  • 11.7%が「レズビアン」
  • 24.5%が「ゲイ」
  • 54.6%が「バイセクシュアル」
  • 11.3%が「トランスジェンダー」
  • 3.3%が「その他」(「クィア」や「SGL」など)と答えた。

アメリカにおけるLGBTQ+の認知と受容の高まりを反映か

キッズ番組『ニコロデオン』などで大人気のジョジョ・シワが「クィア」であることをオープンにでき、テレビドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』の主演マイリー・サイラスも自身のセクシュアリティーを明かしている世界で、カミングアウトする人が増えていることは衝撃ではない。

アメリカでは、自身が通う高校で性的マイノリティーの組織に加わり、『POSE/ポーズ』や『セックス・エデュケーション』といったテレビ番組で性的マイノリティーが描かれるのを目にし、周囲から反対されることなく自分が選んだパートナーとプロムに出席できる10代の若者が増えている。多くの性的マイノリティーのティーンエイジャーが、これまでのどの世代よりも若くして性的マイノリティーのコミュニティーにアクセスすることができる。

こうした要素の全てが、より若い性的マイノリティーのカミングアウトをしやすくしている。

人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)のアルフォンソ・デイビット(Alphonso David)代表は、「若年成人は特に、自身のアイデンティティーを公表する権利を与えられていると感じています。平等を求めて長いあいだ戦ってきたこれまでの世代にとっては、感動的な調査結果でしょう」と話している。

[原文:1 in 6 Gen Z Americans are LGBT - the highest rate ever recorded

(翻訳、編集:山口佳美)

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