松尾橋下の桂川河川敷にBBQの利用者が放置したペットボトルや紙製の皿(京都市西京区・松尾橋西詰)

松尾橋下の桂川河川敷にBBQの利用者が放置したペットボトルや紙製の皿(京都市西京区・松尾橋西詰)

 京都市右京区と西京区の桂川に架かる松尾橋周辺の河川敷で、バーベキュー(BBQ)利用者によるごみ放置が再燃している。近年、マナーは改善されていたが、3度目となる新型コロナの緊急事態宣言以降、悪化が目立つようになった。近隣のBBQスペースが閉鎖されていることも影響しているようだ。

 6月中旬に松尾橋西詰(西京区)の河川敷を訪れると、ペットボトルや焼き肉のタレが付いた紙製の皿、肉が入っていたとみられる食品トレーなどが散乱していた。BBQ後の炭や網も多数放置されていた。近くに住む嵐山東自治連合会長の河原裕さん(70)は「マナーが良くなってきていたのに残念だ」とため息をついた。

 河川敷を管理する国土交通省淀川河川事務所(大阪府枚方市)や地元住民によると、かつてはBBQ客らのごみ問題が深刻化していたが、住民らによる持ち帰りの呼び掛けや看板設置などの効果もあり、ごみの放置はほぼなくなっていたという。

 同事務所は現在、河川敷でのBBQ自粛を求めているが、大型連休以降、再びごみが目立ち始めた。宣言発令前の4月23日に看板や柵を設置したが、利用者は絶えず、事務所は5月6日、45リットルのごみ袋約20袋分のごみを回収した。昨年はなかった苦情も同事務所に寄せられた。

 京都府や滋賀県などでは宣言発令で、BBQのできる河川公園の駐車場閉鎖が相次いだ。河原さんは「昨年は外出を自粛していた人が多かったが、今はそうではない。これまで河川敷に来たことのなかった人が流れてきているのかもしれない」と話す。また、かつて花火の騒音が問題になったこともあり、「夏になって、状況が悪化しないか心配だ」と危惧する。

 同事務所は宣言が解除される21日以降、自粛要請を続けるかどうかは未定という。担当者は「たとえ自粛要請を解除しても、マナーを守って、河川の環境に配慮してもらいたい」としている。