(セ・クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦、ヤクルト4-0巨人、ヤクルト2勝=アドバンテージ1勝含む、10日、神宮)6年ぶりにリーグ優勝したヤクルトが、レギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に快勝した。先発の奥川恭伸投手(20)がプロ初完投を完封で飾った。球数98で、9三振を奪い被安打6、無四球の圧巻の投球だった。
臆せず巨人打線に立ち向かった。奥川は六回まで毎回三振を奪う力投を見せた。日本シリーズ進出へ、勢いをつけたい初戦。〝開幕投手〟を託された20歳右腕が、神宮を沸かせた。
「クライマックス初戦の大切な試合で先発ということで、チームに勢いがつくようなピッチングを心掛けたい」と話していた奥川。一回は先頭の松原を遊ゴロ、続く若林を空振り三振、坂本を右飛とし、三者凡退でスタートすると、三回無死一塁からは4者連続三振。巨人打線を寄せ付けなかった。五回は先頭のウィーラーに左前打、1死から吉川に右前打を浴び一、三塁。それでも代打・亀井を浅い左飛、続く代打・八百板を見逃し三振。グラブをたたいてガッツポーズした。
打線は一回、塩見が左中間二塁打を放つなど1死一、三塁の好機で、4番・村上の打球は遊撃後方へのポップフライとなったが、三走・塩見がタッチアップで積極的に本塁へスライディングで突っ込み、先制。続くサンタナが2死二塁から左翼席へ2ランを放ち、いきなり3点を奪った。七回には先頭の西浦の左翼線二塁打と続く奥川の犠打で1死三塁のチャンスを作ると、塩見が前進守備の遊撃手・坂本を強襲する適時二塁打を放ち追加点を挙げた。