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LCC 消える勝ち組 ピーチ、最大2000便減便

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ANAホールディングス(HD)傘下の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーションは5~10月に最大2088便を減便する。病気やけがで機長が不足し、夏場に予定した増便計画をほぼそっくり取り下げた。国内LCC3社の中で唯一の勝ち組と言われてきたピーチの失速は、日本のLCC市場全体にも影を落とし始めている。

後見役ANAも余裕なし

「支援と言われてもね。ファイアウオールや従業員感情もあるし、基本は彼らが自力で解決しないといけない問題だ」

ピーチが引き起こした機長不足問題について、ANA首脳陣の歯切れは悪い。ANAはピーチに38.67%を出資する筆頭株主で、経営陣を送り込んではいるものの、発足以来、経営への関与を極力避けてきたためだ。

大株主に遠慮して路線計画を立てていたのでは成長を損なう恐れがある。このためピーチは自主自立の経営を掲げ、全日本空輸と競合する路線にも積極的に参入。資本関係はあるが、従業員らは互いをライバルと認識し、それがANAグループ全体の競争力の向上にもつながった。

ANAには2013年3月末時点で2061人のパイロットが所属しており、ピーチを危機から救うのは容易に思える。しかし、ANAは16年度までに国際線の運航規模を13年度に比べ45%増やす計画で、実は後見役のANAにもあまり余裕はない。むしろ将来のパイロット不足に備え、今年度から勤務体系を見直して平均乗務時間を延ばしているほどだ。

そこに突如として降ってわいた機長不足問題は、ANAグループの「両輪経営」を大きくきしませている。実はピーチが大規模減便の緊急記者会見を開いた時刻には、ANAは10年ぶりに刷新する新制服のお披露目会を開いていた。ANAの事務方は直前までピーチの動きを把握しておらず、ピーチが大株主の晴れの場に水を差す形になった。

 日本航空と豪カンタスグループが出資するジェットスター・ジャパンとANA全額出資子会社のバニラ・エア(旧エアアジア・ジャパン)を含む国内LCC業界は「1強2弱」と呼ばれ、ピーチは唯一の勝ち組と見られてきた。

パイロット引き抜きが常態化

実際、ゴールデンウイーク期間中(4月25日~5月6日)のピーチの国内線の予約率は4月18日時点で70.0%と、バニラ・エアやジェットスターを大きく上回る。それだけにレジャー需要が本格化するこのタイミングでの大規模減便の発表は、ピーチに対する消費者の信頼を大きく傷つけた。

今回のピーチの減便数は同社の全便数の16%に当たる規模で、最大で2万6175人の予約客に影響が出る。国内では08年6~8月にスカイマークが機長不足を理由に633便を減便しているが、ピーチの減便はこれを上回り過去最大の規模となる見通しだ。減収額は最大30億円となる。

ピーチは夏場の増便に向けて10月末までに62人の機長を確保する予定だったが、世界的なパイロット不足を背景に採用は難航し、4月24日時点の機長の数は52人。加えてLCC業界では副操縦士を含むパイロットの引き抜きが常態化している。

同社はもともと3人の病欠者が出ることを想定して夏場の増便を計画していたが、2月以降、病気やけがで8人が乗務できなくなり、運航計画の修正に追い込まれた。井上慎一最高経営責任者(CEO)は「お客様を第一に考えた結果、6カ月間はこの措置を取ることにした」と釈明するが、人材面で綱渡りを続けていたことは、同社のブランドイメージを低下させる恐れがある。

4月28日には同社機が那覇空港に着陸する際、海面に異常接近する「重大インシデント」も起きた。

ピーチは業績予想や月次搭乗率を開示していないが、13年度はLCCの中で初めて営業損益が黒字化したとみられている。関西国際空港を拠点とするLCCはピーチだけで、他のLCC2社との運賃競争に巻き込まれずに事業運営できたのがその要因と言われる。

ただ、これまで成田空港を拠点としていたジェットスターは関空を第2の拠点とする計画で、6月から10月にかけて成田―関西線などの一部路線を増便する予定だ。業界最安値を掲げ、積極的に価格破壊を仕掛けるジェットスターの参入で、ピーチは厳しい競争にさらされることになる。新興国市場拡大で機長不足が深刻になる見込みだが、ジェットスターは海外のグループ企業との間でパイロットを融通できるため「現時点で機長不足の懸念はない」という。

6月末には中国最大のLCC、春秋航空が傘下の春秋航空日本を通じて国内線に参入する。13年にANAHDとの合弁を解消し、国内LCC市場から撤退したマレーシアのエアアジアも15年をメドに再参入を目指す。LCC時代が到来してわずか2年で過当競争の様相だ。国内勢は1強2弱から3弱となるのか、最後の勝者は誰だ。

(白石武志、飯山順)

[日経産業新聞 2014年4月30日付]

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