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「欠陥隠して利益」米オレンジ郡検事局、トヨタを提訴

2010年3月13日11時9分

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 【ロサンゼルス=堀内隆】トヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題をめぐり、米カリフォルニア州オレンジ郡検事局は12日、同州会社法違反でトヨタ自動車と米販売子会社の米国トヨタ販売などを郡地方裁判所に提訴した。

 リコール問題をめぐって米検察当局がトヨタを訴えるのは初めて。被告の米国トヨタ販売はカリフォルニア州トーランスに本社がある。同州では検事局が州民を代表して訴えを起こすことができる。

 郡検事局は「欠陥を隠して車を売り続け、消費者に損害を与える一方で米市場で利益を上げた」と主張、トヨタの「詐欺的活動」を止めさせ、違法行為1件ごとに2500ドル(約22万5千円)の罰金を命じるよう裁判所に求めている。

 米国トヨタ販売は12日、「訴状が届いておらず、コメントできる状況にない」との声明を出した。トヨタは米上院の公聴会では、意図的に情報を隠す「隠蔽(いんぺい)体質」はなかったと主張している。

 郡検事局は訴状で、「トヨタが何年にもわたって、制御不能な急加速が起きる欠陥を知りつつ、購入者にその情報を伝えないまま販売を続けた」と指摘した。郡検事局が主張する「消費者の損害」には、事故による死傷者のほか「トヨタブランドの中古車の市場価値が4〜8%落ちた」という内容も含まれており、2002年式から10年式までのすべてのトヨタ車(レクサスを含む)を訴訟の対象に挙げている。

 郡検事局のラコーカス地方検事は12日の記者会見で「トヨタは多数のクレームを受けていたのだから、欠陥があったことは知っていたはずだ」と述べた。

 訴状はまた、トヨタがGMやフォードなど米国メーカーを販売台数で追い抜いた経過も述べ、「欠陥を隠した詐欺的手法で不当な利益を上げた」と指摘している。この点に関連してラコーカス検事は「トヨタが不公正な利益を上げないようにすることは我々の義務と感じている」と語った。

 ラコーカス検事は99年には「ガソリンスタンドから流れ出たガソリン添加物が土地や地下水を汚染した」として複数の石油会社を訴えたことで知られている。この訴訟では被告会社が総額2500万ドル(約22億5千万円)を超える賠償金や環境対策費用を支払うことで和解している。

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