復活なるか「西の軽井沢」 試される長崎の地銀再編
Revitalize長崎 地域再生へ 新銀行の課題(下)
奈落に引きずり込まんばかりに響く噴気音と、硫黄の匂いが立ちこめる雲仙地獄。かつては「西の軽井沢」と呼ばれ、九州屈指の温泉地として観光客を魅了した。その地獄を眼下に望む老舗旅館「雲仙富貴屋」の関係者のもとに1通のファクスが届いたのは、春の陽気が漂い始めた3月末のことだった。
「富貴屋は5月をもって103年の歴史に幕を下ろします」。差出人は施設の運営会社社長。経営再建を進めていたが、修繕費負担などが...