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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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『イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相』=飯山陽・著

 ◆飯山陽(あかり)著

 (扶桑社新書・968円)

 著者は憤っている。イスラム研究者は「イスラムは平和の宗教」「異教徒に寛容」のウソを広めている。現実や国際常識と乖離(かいり)した主張だ。著者がそう発言をすると《「イスラム教へのヘイトを煽(あお)っている」「差別主義者だ」》と中傷された。大御所のI教授も、K教授もN教授もS教授も、軒並み実名で批判される。評者の私の名前もあがっている。

 日本のイスラム研究者は少人数で結束が固い。イスラム文明間対話に何度か参加したからよくわかる。知識不足の日本にイスラムを正しく伝えよう。使命感に溢(あふ)れている。でもそれはギョーカイの同調圧力に転じやすい。学問に必須の多様性が失われる。それでは元も子もない。

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