二階堂ふみ | インタビュー | Deview-デビュー

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インタビュー「二階堂ふみ」

2011/04/15

“魂ぶつけよう”っていう覚悟はしました

二階堂ふみ
ネット生中継などでの衝動的なパフォーマンスで“テン年代のカリスマ”と呼ばれるバンド「神聖かまってちゃん」とその名曲群をモチーフにした人間群像劇『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』。同作でプロの棋士を目指す女子高生・成田美知子を演じる二階堂ふみちゃんに、魂をぶつけて挑んだ演技、女優と言う職業について聞きました。



Q この映画のオーディションの話が来たときの気持ちはどうでした?

二階堂ふみ

二階堂ふみ

「いや…はい、みたいな。あ、でも神聖かまってちゃんって聞いてからすごい興奮しました。もう絶対やる!って。かまってちゃん大好きだったんで。かまってちゃんは、深く昔からというわけではないんですけど、去年の春ぐらいから聴いてました」

Q 舞台挨拶で、“最初、美知子という役に拒否された”ということを言っていましたが?

「あたしの中で役に入るとか、そういう概念ないですから。役のキャラクターが“あたし”っていう体や声を使ってっていうだけであって。そこで美知子は“嫌だ”って言ったんです。“あたしじゃ嫌だ”って。でもちゃんと向き合えば…現場に入ってから、美知子があたしの体を使ってくれたっていうか…」

Q “嫌だ”と思われたと感じたのはどういう理由で?

「いや、これはたぶんあたしにしかわかんないと思います。だけど、たぶん臆病だったんです。そのとき勝負が、魂のぶつけあいができるかどうか不安になっちゃったっていう。美知子はそのまんまのあたしみたいなものだったから、美知子が持っているものが、なにか合うものがあって、そこを出してしまうことが怖かったです。楽しかったですけど」

Q プロの棋士を目指す女子高生という役作りにあたって、常に将棋の駒を持ち歩いていたと聞いたんですけど。

「別にそんな大した意味はなくて、時間が無かったので駒の感触を覚えなきゃっていうだけですね。将棋をやったことが無かったので、棋士の方から駒の動かし方ぐらいは習ったんですが。将棋を愛する人に、“コイツ絶対初心者”って思われたくなかったので、そこは頑張りました。リアルに見えたんだったら嬉しいですね」

Q 他に美知子を演じる上で考えたことは?

二階堂ふみ

(C)2011『劇場版 神聖かまってちゃん』製作委員会

「ないです。“魂ぶつけよう”っていう覚悟はしましたけど。魂をぶつけるというのは、感情を爆発させるシーンだけじゃなくて、将棋のところもそうですし、自分の中での葛藤するところや、ひきこもりのお兄ちゃんとドア越しに話すときとか、それぞれの美知子なりに……。それが見どころだと思いますよ、人間らしくて」

Q 入江悠監督はどんな方でしたか?

「面白い人ですよ。天才? すごい無限大で宇宙みたいな人。これまでの映画も観てたし、今回台本を読んでも、頭の中がどうなってるのか分からないなって思いました。あんまり笑わないからちょっと怖いイメージがあったんですけど、普通に仲良くなったら笑ったりしてくれて。そこら辺はちょっと通じたかなと思いますけど(笑)。あたし結構臆病なので、そこら辺は結構気にするんですよ。あ、怖いなとか思って」

Q 神聖かまってちゃんというバンドがテーマだから、観る前は、もっとその音楽やライブシーンに寄った映画だと想像すると思うんですが、いい意味で裏切られました。

「だからよかったのかなと思います。安っぽくならなかったというか、そこでちゃんとした映画になってたのかなと。森下くるみさんも、劔(樹人)さんも、みんな魂をぶつけていて。普通な映画じゃないんです。“ああ、良かったよ”ぐらいじゃなくて、めっちゃいいか、全然ダメだよっていうのかのどっちかだと思うんですけど、それくらい“ズボンッ!”ってくるような…一言では表せないです 」

Q 二階堂さんのデビューのきっかけは?

「お洋服が元々好きだったので、古着屋さんによく行っていたら、そこで発行しているフリーペーパーの表紙をやって、そこから『沖縄美少女図鑑』に出て、事務所の人が沖縄までスカウトしに来てくれました」

Q 女優を目指していたんですか?

二階堂ふみ

(C)2011『劇場版 神聖かまってちゃん』製作委員会

「映画が好きだったんですよ。うちの母が映画好きで、よく昔から映画に一緒に行ってたりしていたので。それで“スクリーンに出たいな”ってだけで、芸能界に入りたいとは思ってなかったですね。当時は事務所っていう存在も知らなかったんですよ。全然何もしらないけど、私いつか映画に出れるなって、なんの根拠もないけど確信がありました。スカウトされた時も“映画に出れる!”って思っただけで入りました、正直にいうと」

Q 今こうやって、女優として映画に出ている状況をどう思いますか?

「すごくいろんな人に支えてもらっているなと感じますが、まだまだだなって思います。それだけです。でもあたしがこうなったからって、安易に人に頑張ってとは言いませんし、応援してるとも言いません、絶対に。これは運命的なものでしかないと思うから。偶然や運もあるだろうし。どの監督に気に入られるのか、どういう作品とめぐり合うか、あとはどういう人間なのかってのもあるだろうし。いろいろなものが合わさって成立するものだと思っているから。頑張ることは当たり前だし、みんな頑張っているから」

Q でも今回のような作品に“出会うべくして出会う”のは、偶然だけじゃなくて、二階堂さん自身が発信しているのでは?

二階堂ふみ

(C)2011『劇場版 神聖かまってちゃん』製作委員会

「どうなんですかね? それは人間らしいからじゃないですか? 自分の中ではそれが魅力の一つだと思っているので。なんか好きなものは好き、嫌いなものは嫌いなんですけど、普通に嫌いなものでも、人に話を聞いたら好きになったり。そういうふうに正直でいることがいちばん人間らしいと思うので。やっぱりいい人(笑)、人間的にすっごいいい人が大好きですね。ツンってしてる人は嫌いです。そうでありたいなって思います」

Q 今後、自分でも映画を撮りたいと言っていますね?

「だれかに“撮りませんか?”って言っていただけたら、“やりたいです!”って言いますけど(笑)。まだ、そんな段階じゃないですから(笑)。」

Q 脚本も書いているそうですけど?

「キャスティングを考えてるんですけれど…出したい役者さんがすごい人達ばかりだから(笑)。いい役者さんがいっぱいいるんで…こういうことを考えるのは私は好きですね(笑)」

Q 映画が好きという気持ちから始まっていますが、女優志向?それとも監督志向?

「どっちなんですかねー? でも全部繋がっていると思います。生きてるうちはずっと女優だけど、その女優っていう肩書きをいつか降ろすときが来るときが来るかもしれないし。でもなにかない限り続けていると思います、スクリーンに出るということは。」

二階堂ふみ

(C)2011『劇場版 神聖かまってちゃん』製作委員会

Q やっぱり女優という仕事は続けていたい?

「女優さんほど素敵な職業はないと思うんで。辛いことも苦しいことも、楽しいことも全部が生かされることじゃないですか。私の“人間”っていうものと、その“感情”との間に、たぶん“女優”っていうフィルターが入っているから、そこを通していろんなものを発信できたら、面白いかなって考えてます」

Q 最後に『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』を観ようと思っている人にメッセージを。

「覚悟をしててください。それだけです(微笑)」



にかいどうふみ●1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。12歳の時に『沖縄美少女図鑑』に掲載された一枚の写真を現マネージャーが見て沖縄に飛んで行き、スカウト。ファッション誌モデルや広告に出演した後、14歳の時に映画『ガマの油』(役所広司監督)でヒロインに大抜擢されて女優デビューを飾る。その後も『キミに歌ったラブソング』(前田哲監督)『8ミリメートル』(岩田ユキ監督)や『いちごゼミナール』(石井克人監督)ASIAN KUNG-FU GENERATION『新世紀のラブソング』PV(大宮エリー監督)連続ドラマ『熱海の捜査官』(三木聡監督)などに出演。最近ではTV CM『いい大人の、モバゲー。』シリーズに出演するなど多方面で活躍中。映画『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』は渋谷シネクイント、ポレポレ東中野、下北沢トリウッドにて公開中。(ソニー・ミュージックアーティスツ所属)


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