野球独立リーグ初の高校生・渡辺選手、プロ入りの夢追いかけ

BCリーグ初の高校生選手となった渡辺明貴投手(城裕一郎さん提供)
BCリーグ初の高校生選手となった渡辺明貴投手(城裕一郎さん提供)

 連日熱戦が繰り広げられる高校野球。同世代が甲子園を目指すなか、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの滋賀ユナイテッドで、新たな野球人生を歩む高校生がいる。渡辺明貴投手(17)。同リーグ初の高校生として、日本野球機構(NPB)入りの夢を追いかける。

 186センチと恵まれた体格から繰り出す直球は、最速144キロ。開幕の4月に初勝利をあげ、主に中継ぎとしてゲームをつくる。

 山梨県出身。野球を始めたのは小学1年の頃、1つ上の兄の影響だった。「ただただ、野球が好きで楽しかった」。静岡県内の高校へ進学し、野球部に入った。しかし、学校生活になじめず3カ月で退部。その後学校も退学した。「もう2度と野球をやりたくない」。野球への情熱も失った。半年ほど、何をするともなく過ごしていた。 

 野球への思いが復活したのは、帰郷した山梨で偶然通りかかった野球場。高校生の練習試合だった。同年代の球児を見て「再びマウンドに立ちたい」との思いがわき上がった。

 地元の社会人クラブに入りプレーを再開。さらにBCリーグの合同トライアウトを受けると、結果は自身も「驚いた」という合格。滋賀ユナイテッドから声がかかり、入団した。

 滋賀県内の通信制高校に入り、1人暮らしをしながら、高校生とプロ野球選手の2役をこなす。1度は離れた野球。だからこそ「今は楽しめている。今の気持ちを忘れてはいけない」と言い聞かせている。

 見守ってくれた両親と獲得してくれたチームへの恩返し。同世代とは別の道で、NPBを目指す。

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