西武がパドレス・牧田和久投手(33)の“買い戻し”を切望している。

 30日現在、西武は88試合を終えて貯金17、2位・日本ハムに3ゲーム差をつけ首位を走っている。前回日本一の2008年以来、10年ぶりとなるリーグ制覇に向け球団は7月だけで小川龍也投手(26=前中日)、カイル・マーティン投手(27=前レッドソックス3A)の左右中継ぎを緊急補強。チーム防御率4・43の改善に手を打った。

 31日のトレード期限を前に鈴木球団本部長は「(補強は)もう終わりだよ」と宣言。この陣容で残り55試合を戦っていく構えを見せたが、それとは別に動向を追いかけている右腕がいる。

 同本部長が「今は無理だけど、オフは分からない」と語るのが、パドレス傘下3Aエルパソ・牧田の動向だ。昨年、貴重なセットアッパーとして3勝28ホールド、防御率2・30でチームの4年ぶりAクラス(2位)に貢献したサブマリンは昨オフ、ひそかに温めていたメジャー挑戦の夢を実現させ渡米。パドレスと2年400万ドル(約4億4400万円)の契約を結んだが、ここまで5度のマイナー落ち。メジャー23試合で0勝1敗、防御率7・09と試練に直面している。

 相当の覚悟で渡米した以上、簡単には帰ってこられない牧田だが、他球団へのトレード等その立場はあくまで流動的だ。年俸が安いことからも、このまま結果が出なければオフに球団が一定額の違約金を支払い契約を途中解除する「バイアウト」に踏み切る可能性もあり、西武としては有事があればいつでも動けるよう注視しているわけだ。

 首位ながら「困った時の牧田」が抜けたことで、信頼できるセットアッパーが不在となりブルペン全体の役割も固定できない西武。今ほど牧田の存在感の大きさを痛感している時はない。