貴景勝の再休場について説明する千賀ノ浦親方。その後、八角理事長らに謝罪した (撮影・菊本和人)
ギャラリーページで見る 大相撲夏場所9日目(20日、両国国技館、観衆=1万936)夏場所5日目に「右膝関節内側側副じん帯損傷」で途中休場し、8日目から再出場した新大関貴景勝(22)は9日目の20日、新たに「右膝骨挫傷」の診断を加え「約3週間の治療期間を要する見込み」との診断書を日本相撲協会へ提出し、再休場した。師匠の千賀ノ浦親方(58)=元小結隆三杉=は今場所で再々出場の可能性を否定し、7月の名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)はかど番となる。1敗は横綱鶴竜(33)、関脇栃ノ心(31)、平幕朝乃山(25)の3人。
結果的に1日だけとなった貴景勝の再出場には、ざらつくような後味の悪さだけが残った。
千賀ノ浦親方によれば、再出場した8日目に小結碧山にはたき込みで敗れた姿をみて判断し、日付がかわる19日午後11時半ごろに貴景勝へ自ら連絡したという。「まともに相撲を取っていない。見るお客さまに失礼」と休場を勧めると、新大関は「はい、わかりました」と応じた。
不戦勝制度が確立された昭和3年3月以降、大関の1場所2度の不戦敗は31年秋場所の若ノ花(後の横綱初代若乃花)以来63年ぶりだが、出場→休場→出場→休場を繰り返したのは初めてのケースとなった。