インドネシア  2011/07/01(金曜日)
インフラ調査で6案件採択:経産省、事業規模10兆円超[経済]

経済産業省は、海外のインフラ整備事業に対する日本企業による事業化調査の公募案件のうち、インドネシアから6件を採択した。事業規模は総額10兆1,744億円。両国政府が協力してインドネシアの首都圏を中心としたインフラ整備計画を進めていることもあり、国別で最多の採択数となった。



最も事業規模が大きいのは、スンダ海峡大橋と周辺地域の開発案件で10兆円。日揮、バリュープランニング・インターナショナル、オリエンタルコンサルタンツ、日本工営、新日本製鉄の5社が調査を実施する。同事業では、ジャワ島〜スマトラ島間に橋を架けるほか、付近に住宅、商業施設、工業団地などを設置する。

2番目に事業規模が大きいのは、伊藤忠商事、清水建設、日本空港ビルデング、日建設計、日建設計総合研究所、日本経済研究所の6社が参加するジャカルタ特別州のスカルノ・ハッタ国際空港の拡張案件。事業費は推定1,500億円だ。ターミナルや貨物取扱施設の拡張、空港〜ジャカルタの鉄道敷設などについて調査する。

エックス都市研究所とアラックスは、ジャカルタ特別州都市廃棄物BOT(建設・運営・譲渡)事業の調査を手掛ける。総工費は86億円の見通し。このほか東ジャワ州大マランの統合型廃棄物発電事業は日立造船を含む3社、ジャワ島地域専門医療サービス整備はシステム科学コンサルタンツら2社、ジャカルタの次世代道路交通情報システム事業は野村総合研究所ら3社が、それぞれ調査を担当する。

■今年度は過去最多も

経産省は1998年度から円借款案件、2003年度から民間企業を活用したインフラ案件の事業化調査を支援している。11年度第一次公募分の採択案件は19件で、一般案件が16件、資源案件が3件だった。今回は1案件当たり最大5,000万円を委託費として拠出する。

採択された案件数はインドネシアの6件が最も多く、これにベトナム、フィリピン、インドの2件ずつが続いた。インドネシアは07年度は通年で過去最多の7件が採択されていたが、今年度はこれを上回る見込み。

同省貿易経済協力局資金協力課の担当者はNNAに対し、「インドネシアでは昨年後半から日本政府と協力して進める首都圏を中心としたインフラ整備計画(首都圏投資促進特別地域構想=MPA)が進められている。政府としては支援体制を強化することで本入札の獲得につなげてほしいと考えており、多くの案件を採択することになった」と説明した。

今年度の第二次公募は8〜9月にかけて行い、10月初旬をめどに新たな採択案件を公表する予定だ。

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