嘉峪関(ジアユーグワン)では羊脂を使い、串焼き羊肉の風味を高める。甘加(ガンジア)草原の遊牧民たちは、熱した石を羊の胃袋に入れて羊肉を調理する。
焼いたり、蒸したり、炒(いた)めたりと、様々な調理法で甘さと香りを楽しめるユリ根。ユリの花は、サラダの材料や麺のトッピングとしても使われる。
羊の内臓を鉄板の上で調理したり、腸詰めにしたり、網脂で巻いたり。臨夏(リンシア)や河西(ホーシー)回廊には、羊の内臓の多彩な調理法が。
武威市のスイカ農家の人々は、ゴマの種を使ったロールパンを主食にする。ゴマ油は、永登月餅(ヨンドンユエビン)に豊かな香りを与える。
龍洞(ロンドン)高原で栽培されるソバは、ゼリー状の麺やクレープの生地、そして朝食として人気の天水呱呱(ティエンシュイグゥアグゥア)に加工される。
家庭の味を求める舌の肥えた人々が愛する、手打ち麺の蘭州牛肉麺(ランチョウニュウロウミィェン)。その魂は、牛肉を長時間煮込んで作るスープ。
焼いたり、天日干しにしたり、細切りにしたりして作られ、水分をよく吸う面筋(ミィェンジン)。スープや煮込み料理に入れた面筋に、風味が染み込む。
苦苣(クージュ)やセロリなどの野菜を発酵させて作る、白く濁ったスープ状の漿水(ジャンシュイ)。ボラの卵と合わせたり、鍋料理に使用したりする。
グルテン状の冷たい麺料理、醸皮(ニャンピー)。ゴマやラー油を添えて食されるが、蘭州(ランチョウ)市や武威市などには様々な種類が。
定西(ディンシー)市の名産は、30種類以上ものジャガイモ。薄切りにしたり、潰したりするだけでなく、麺に加工して豚肉やスパイシーなソースと楽しむ。
雲南省は、さまざまな乳製品があることでも有名。その代表は、大理乳扇という薄いチーズ。揚げたり、焼いたり、蜂蜜をつけたりして楽しまれている。
野菜や魚をつぶして作る風味豊かなペースト状の料理、南撇(ナンピエ)。いろいろな種類があるが、特に目を引くのは自生している木の実を使ったもの。
撒撇(サーピエ)は、生肉や生野菜を多種多様なソースと組み合わせて味わう伝統料理。ソースの材料として、凝固した豚の血液を使うことも珍しくない。
漆の木の実から採れる油は、幅広い料理で使われている。卵、おかゆ、煮込んだ豚、焼いた鳥、さらには蜂の幼虫を調理するのに、この油は欠かせない。
宣威市で作られるハムは、月餅の具として使われるだけではない。薄く切って蒸したり、卵と調理したり、煮込んだり。もちろん、冷製でも楽しめる。
天日で少し乾燥させてから塩漬けにして作る苦菜の漬け物。豚肉と一緒にいためて酸味や食感を引き出すだけでなく、大根のスープにも加えられる。
雲南省のバナナ、バショウ。もち米や香辛料で味付けした魚と一緒に葉っぱに包んだバショウは、甘くて美味しいおやつにも、風味あふれる料理にもなる。
レモンや青パパイヤなどの酸味が強い果物は、食欲を刺激する。細切りの鶏肉やフナと合わせて食すほか、エビの躍り食い用のソース作りにも欠かせない。
米粉から作る餅の用途は、多種多様。焼いて弾力のあるおやつにしたり、薄切りにして野菜といためたり。細切りにして、麺のようにしたものもある。
副菜として親しまれる、乾燥させてから発酵させた野菜や魚は、食文化の古い伝統。先人の食品保存の知恵にならい、今も昔ながらの方法で作られている。
オリーブを独自の方法で保存する潮汕(ちょうさん)。オリーブのジュースやスープなど、その風味を生かしたさまざまなオリーブ料理を紹介する。
潮汕の名物であり、多くの人にとって故郷の味でもあるフーティウ(米麺)。ラードでいためたり、麺にする前の状態の生地に具を包んで食べたりする。
ニンニク、コリアンダー、唐辛子などがカニの味を引き立てる生ガニ漬け。味付けは地域によって異なるが、その身はいつも新鮮で柔らかい。
潮汕塩水の味を決めるのは、シナモン、八角、ガランガ根などの香辛料。この塩水が、カモの肝やガチョウの頭の蒸し煮、塩水鍋に欠かせない材料となる。
元々、北部から潮汕に持ち込まれた大豆から生み出された豆醤(まめびしお)。今ではこの地の名物のひとつとして、空芯菜や蒸し魚の味付けに使われる。
千年もの長きにわたり潮汕で作り続けられてきた大根の漬物。スペアリブのスープや、イカいためなど、その優しい味でさまざまな料理を引き立てる。
独特の旨味と海の味が封じ込められた海藻は、潮汕料理に欠かせない食材。いためたり、揚げたり、あぶったり、スープに入れたりと、その用途は幅広い。
蒸しガキやマリネ、いためものやあぶりガキ、そして漬物まで。潮汕からほど近い海で採れた新鮮なカキも、多くの名物料理を生み出している。
潮汕でしか手に入らない保存加工果物として知られる潮州みかん。揚げたり乾燥して菓子にするだけでなく、乾燥させた皮は香辛料としても使われる。
客家の人々の間で受け継がれてきた擂茶(れいちゃ)。鮮茶をさまざまなハーブといため、それをゴマとともにすり鉢ですることで、独特の味が生まれる。
ニンニク、肉の脂、白酒、そして腐乳。長い歴史と独特の風味を誇る潮汕自慢の豆腐菓子。作り方はさまざまあれど、焼きたては潮汕でしか食べられない。
潮汕火鍋の鍵となるのは、長い経験をもつ職人たちによる牛肉の解体技術。研ぎ澄まされた包丁で、部位ごとに味わいの異なる肉を最高の状態で提供する。
潮汕独特の作り方が世代を超えて受け継がれてきた伝統の牛肉団子。その完璧な食感と味を生みだす秘密は、作り手による地道な手作業にあった。
新鮮な魚の切り身を、さっぱりした野菜とこだわりのソースとともに食す魚生(ユーサーン)。潮汕で長い歴史を持つこの一品は、どのように生まれたのか。
竹籠に並べ塩をふり、熱湯で火を通し、乾燥させる。さまざまな種類の魚を使って作られるこの魚飯だが、その中でも潮汕ではムロアジが人気だという。
潮汕料理に欠くことができない調味料である魚露(ぎょしょう)。伝統的には魚を長時間発酵させて作るが、最近は新たな製法も生み出されている。
身は柔らかいが骨が多いヒメ科のエソ。そのままで食べることは滅多にないこの魚が、骨を抜きすり身にすることで、幅広い料理に使われるつみれになる。
南澳(なんおう)島で採れる小さな貝、イガイ。バジルいためや春巻き、チャーハンなど、夏しか食べられない季節の味として潮汕の人々に愛されている。
数百年前に東南アジアから潮汕の地にやってきたナンキョウ。その複雑な香りと風味で、鶏肉や羊肉の臭みを消し、味を引き立てる役目を果たす。
独特の苦みをもち、漢方薬としても知られるヤクモソウ。スープやおかゆに加えることで、潮汕の人々が大好きな栄養満点の朝ごはんのできあがり。