iPS細胞で臓器再生、日本で基本特許成立へ 東大など
東京大学と特許管理会社のiCELL(東京都港区、三輪玄二郎社長)は28日、iPS細胞を使って臓器を再生する特許が日本で成立する見通しになったと発表した。iCELLが実用化に向けた特許の管理などを担う。
成立する特許は「胚盤胞補完法」と呼ばれる方法。東大医科学研究所の中内啓光教授らが開発した技術で、ヒトを含む動物のiPS細胞を使って、ヒト以外の動物の体内で臓器を作製する。特許はあらゆる臓器の作製に応用できる。中内教授はiPS細胞から移植用の膵臓(すいぞう)を作り、糖尿病患者の治療などに活用を目指している。
東大の渡部素生客員研究員によると、13日付でiPS細胞から臓器を再生する特許の登録料を特許庁に納付した。納付から約2週間で成立する見込み。同様の特許は既に英国では成立し、米国でも成立に向けて手続きを進めているという。
iPS細胞自体を作製する技術の特許は京都大学が取得した。今回、iPS細胞を使って臓器を再生する特許が成立することで、日本発のiPS細胞を使った再生医療の産業化に期待が高まる。