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インタビュー掲載!末光篤、ジャンルレスでカラフルなアルバム

インタビュー掲載!末光篤、ジャンルレスでカラフルなアルバム

GOING UNDERGROUNDとのコラボレーション・シングル『カモメトゥモロー』が話題となり、そのシングルにも収録された「世界を変えるピアノが歌う」の松本素生のヴォーカル・バージョン、更にGOING UNDERGROUNDをフィーチャリングした新曲「Smile」、かねてから末光がファンだと公言していたGOON TRAXのHIPHOPアーティストVERSESを迎えた「We Gotta Get It」、森雪之丞作詞、ヴォーカルに斉藤由貴を迎えて話題となったデュエット・ソング「恋を、した。」、明日をテーマにしたカヴァー・メドレー「明日組曲 あしたがすき~Tomorrow」等、ジャンルレスで末光らしいカラフルなアルバムに仕上がりました。

今回のアートワークでは、レディー・ガガやビヨンセなどの写真集、アーティスト・フォトなどを手がけ、世界的に活躍するレスリー・キーを迎え、タイトルを表したカラフルな世界観を見事に表現しています。

『色彩協奏曲』収録曲
1. 色彩前奏曲
2. 色彩協奏曲
3. You
4. Paper Moon
5. We Gotta Get It feat.VERSES
6. Eve
7. メドレー あしたがすき / Tomorrow
8. Palau
9. 世界を変えるピアノが歌う feat.松本素生
10.Hey! Mr.Dancefloor
11.時よ、未来に向かって走れ
12.Tie
13.恋を、した。 feat.斉藤由貴
14.Smile feat.GOING UNDER GROUND

 

☆ 末光篤 INTERVIEW ☆

インタビュー掲載!末光篤、ジャンルレスでカラフルなアルバム

日本の音楽シーンにおける最高のメロディメイカーのひとり、末光篤が1年半ぶりのニューアルバム『色彩協奏曲』をリリースする。まずは、イメージを一新したカラフルなジャケット写真に目を奪われる。今までにはなかった明るい笑顔も印象的だ。そこに新装し、バージョンアップされた末光篤をうかがいしることができるだろう。そして、アルバムのほうは、そのイメージチェンジを反映するかのように、クラシックをベースにモータウンや歌謡曲、壮大なバラードなど、曲ごとに七変化する多彩な音楽性をもったポップな曲が並ぶ、バラエティに富んだ好盤になっている。斉藤由貴、GOING UNDER GROUNDなどとの共演、意外なカバーなど、彼の多趣味性を楽しむことができる全14曲。ポップな自分を包み隠さずに表現したら、「こうなりました」というような、自然体にして大衆的というアーティストとしての理想がこのアルバムに詰め込まれているかのようだ。

──ニューアルバム『色彩協奏曲』は素晴らしい出来ですね。SUEMITSU & THE SUEMITHから末光篤名義に替えたときにも新装された末光篤を感じましたが、このアルバムを聴くとさらにバージョンアップされた末光篤を感じます。

ありがとうございます。カッコつけずに、ただ素直に自分のやりたい音楽を作ったんです。自分の好きな音楽を包み隠さずに出していこうと思ったら、14曲という曲数になってしまいました。

――曲数が多いのに捨て曲がないです。

それは嬉しいです。今回のレコーディングはすごく大変だったので、やっとできたって感じですね。作り終わったあとは、少し気が抜けてしましました。本当に今はそういう感じ。レコーディングは楽しいだけではないですから(笑)。

──それはすごく伝わってきます。今までのアルバムにも、いろいろタイプの曲が入っていましたが、今回、ここまでバリエーションに富んだ曲が入ったのは初めてじゃないですか。全体にすごくポップだし。

そうですね。似たような曲が重ならないようにしようとは意識しました。ポップになったのは、やはり、自分はこういうアーティストであるということを素直に見せたいという意識が強くなったからですかね。

――4曲目の「Paper Moon」はZARDに提供した曲かな、と思うくらいのポップソングですよね。

そういわれるとそうかもしれない(笑)。

──CDのジャケットを見ると、ずいぶんイメージが変わりましたよね。今までの白と黒のモノトーンのイメージから一転してカラフルになりました。

今回は写真でアーティストイメージを作りたかったので、まず写真をしっかり撮りたいと思ったんです。なので、せっかくならレスリーキーにお願いしたいと思って、ダメ元で頼んでみたら、撮ってもらえることになった。このカラフルなジャケットはレスリーキーのアイデアです。撮影現場でレスリーが「“カラーズ・オブ・シンフォニー”っていうテーマがいいじゃない?」って、ポロッと言ったんです。確かに、ジャケットにはいろいろな色があって、CD にはいろいろな曲のタイプが入っているから、「それはいいな」って思った。でも、シンフォニーは交響曲だからピアノは出てこないので、協奏曲のコンチェルトにしたんです。

──今までは笑った写真はありませんでしたよね。

今まではなかったですね。人物を大きく撮ってもらおうと思っていたんですが、僕のイメージはピアノだから、ピアノと一緒に映ったほうがいいということになって。しかもレスリーはグランドピアノを積み上げたいと言いだしたので、廃棄ピアノを探してはみたんだけど、撮影に使うのはちょっと難しくて、結局ミニチュアピアノを7個用意して、美術さんに一個一個カラフルに塗ってもらったんです。

──新しい末光篤を感じさせるいい写真ですね。でも、そういうポップな面が全面に出てきたという意味では、昨年(2012年)出したシングル『恋を、した。』での斉藤由貴さんとの共演は大きかったですか。

由貴さんと共演したことで自分の作風が変わることはないけど、あれは自分にとっては念願の企画で、アーティストとして、すごく刺激になったので、実現できたことは本当に良かったです。

──このアルバムには、斉藤由貴さんをはじめ、いろんなアーティストと共演しています。GOING UNDER GROUNDとの相性はいかがでしたか。

最初はどう仕上げるか怖かったけど、どうにかなると思った。それは、松本君の書く歌詞が好きだったのと、松本君はすごく良い声をしているから。

──松本さんと末光さんは声が似ていますよね。

ちょっと似ていますね、って言ったら失礼かもしれないけど(笑)。GOING UNDER GROUNDのメンバーはキャラも良いし、バランスの良いバンドですよね。普段、僕はスタジオに入るとあまり喋らないんだけど、松本君とは和気藹々とできた。どんどん曲ができたし、リハーサルも楽しかった。年代は違うけど、好きな音楽を聴く観点が似ているんじゃないかな。曲を聴いて「あっ!」と反応するポイントが似ているというか。だから、松本君が「このフレーズはもっと膨らまないかな」って言ったら、僕がそれにアイデアを加えていく、みたいな感じで、どんどん曲が広がっていきました。

──実際にGOING UNDER GROUNDの中に入ってやってみた感覚はいかがでしたか。

今までの感覚とは全然違いましたね。緊張感もあるし。ライブも楽しかったです。僕はリハが好きではないんだけど、彼らとはリハが楽しかった。やっぱりそれは曲が良いからだと思う。

――このアルバムに入っている「世界を変えるピアノが歌う」は元々、タワーレコードのコラボ企画というシングルだった曲で、そのときのボーカルは末光さんで、今回は松本さんに歌ってもらっているんですよね。

そう。シングルになったものは僕が歌って、今回のアルバムは松本君が歌っています。この曲の歌詞は松本君が書いているので、歌詞を書いた人の言葉で歌われる歌を聴きたかったんです。やっぱり、曲は歌詞を書いた人が歌うのがいちばん強いんじゃないか、と思うので。

──末光さんらしいカバー曲もアルバムの聞きどころのひとつになっています。「明日組曲(あしたがすき~Tomorrow)」は、どういったところからカバーしようと思ったのですか。

カバー曲の候補の中に「あしたがすき」と「Tomorrow」があって、両方ともテーマが「明日」だから一緒にしてしまおうと。考えたら、「キャンディ・キャンディ」も「アニー」も物語の根底にあるものが似ているんですよね。昔はそういう物語が多かったですよね。だから、そこで歌われる曲も、つらい心境を歌った歌詞になる。つらい境遇にいるから明日こそは輝ける、という希望の歌なんですよね。

――いいカバーですよね。アニメ「キャンディ・キャンディ」の終わりの歌は、こんなにいい曲だったんだ、って改めて思いました。

「あしたがすき」を僕が歌うのは抵抗があるというか、自分が歌うのは良くないと判断して(笑)、僕の音大のときの先輩がやっている声楽教室の生徒さん、14歳の女の子に歌ってもらいました。清潔で言葉遣いもしっかりした子で、イメージ通りの歌い方をしてもらいました。

──アレンジが良いですね。

僕の耳にはずっと今回のアレンジで聞こえていたんです。「こういうふうにやったらいいのになぁ」って、ずっと思っていたのを、今回、具現化しました(笑)。

──今回もクラシックの要素が根本に流れています。そこがあるから末光さんの音楽性がブレないんでしょうね。

本当にクラシックが好きなんですよね。しかも、「これ、知らないだろ?」とか「これ、知っている?」みたいにクラシックを入れるのが嫌で、なるべくわかりやすいフレーズを入れて「あれだ!」って言ってもらえるほうがうれしい。

──小学生も知っているような? 先ほど触れた「Paper Moon」の最後にも「月光」のフレーズが出てきますよね。

本当はドビュッシーの「月の光」でも良かったなぁと思ったんですが、分かりやすく「月光」にしました(笑)。

――かつてCDショップのバイヤーだった末光さんですが、バイヤー感覚でこのアルバムを聴いた場合、どんな印象をもちますか。

それは分からない(笑)。客観的には見られないですね(笑)。でも、渋谷系の時代に自分がデビューしていたらどうなっていったんだろうなっていうのはちょっと思いました。先日、渋谷系のクラブイベントがあって、DJをしたんです。僕がバイヤーだった時代のCDやレコードを引っ張り出してきて、音楽をかけていたときに、そんなことをふと思いました。デビューしてから「遅れてきた渋谷系」って言われることも多かったから、自分が90年代にデビューしたらどうだったのかなぁと。でも、僕の音楽は90年代にああいう音楽をたくさん聴いてきたからこそ、作れているものだから、あの時代に僕がアルバムを出したとしてもこういう音楽はなっていないでしょうね、きっと。

 

タグ : J-インディーズ

掲載: 2013年11月19日 10:47

更新: 2013年11月19日 10:47