2022年9月15日から4日間にわたって開催された「東京ゲームショウ2022」。本格的なリアルでのイベントが復活したこともあって大きな注目を集めたが、復活までの3年のうちにスマートフォンゲームを取り巻く環境にもいくつか変化が起こっている。

VRやパソコンゲームの存在感が急上昇

 コロナ禍で多くの見本市イベントが中止やオンラインでの開催を余儀なくされたが、東京ゲームショウもその例外ではない。イベント自体が中止されることはなかったものの、2020年はオンラインでの開催、2021年は一部リアルでの展示もあったが、オンライン主体のイベントとして実施された。

 だがコロナ禍の影響が弱まりつつある2022年、ようやくリアルイベントとして復活。来場者に制約があるなどコロナ禍以前の状況に完全に戻ったわけではなく、オンラインでのイベントも同時に開催されたが、主軸はリアルに戻っており、来場者も4日間の合計で13万8192人と、以前ほどではないとはいえかなり多くの人が訪れた印象だ。

 そうしたことから筆者も東京ゲームショウでの取材を復活させたのだが、やはり3年が経過し様々な環境が変化したこともあって、出展企業や展示内容にもかなり変化が出ているようだ。とりわけ今回は、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)が出展を見送ったこともあり、従来ゲームショウの主軸だったコンシューマーゲーム機の存在感が弱かったのは確かだろう。

 その一方で注目を集めたのが、1つはメタバースへの注目で盛り上がりを見せるVR(仮想現実)関連のデバイスである。その象徴となったのが、ゲームショウに初出展した米Meta Platforms(メタ)。大規模ブースでVRデバイスの「Meta Quest 2」やそれを用いたゲームをアピールしていた。他にも中国の北京小鳥看看科技(ピコテクノロジー)が同社の「Pico Neo3 Link」を展示してアピールするなど、VR関連の展示は大いに盛り上がりを見せていたようだ。

「東京ゲームショウ2022」にはメタが初出展、「Meta Quest 2」を中心としたVRゲームの体験に力を入れていた。写真は2022年9月15日、同イベントにて筆者撮影
「東京ゲームショウ2022」にはメタが初出展、「Meta Quest 2」を中心としたVRゲームの体験に力を入れていた。写真は2022年9月15日、同イベントにて筆者撮影
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 そしてもう1つ、注目を集めたのがパソコンのゲームに関するもので、その象徴となっていたのが米Valve(バルブ)の携帯ゲーム機「Steam Deck」だ。バルブはパソコン向けのゲームプラットフォーム「Steam」で知られるが、そのSteamのゲームを楽しめる専用のゲーム機がSteam Deckである。今回の東京ゲームショウではアジアでの販売を担うKOMODOという企業のブースにSteam Deckを多数用意し、多くの人がゲームプレーを実際に体験できるようになっていた。

KOMODOのブースでは、「Steam」のゲームを楽しめる携帯型ゲーム機「Steam Deck」が展示され、実際にゲームプレーを体験できるようになっていた。写真は2022年9月15日、東京ゲームショウ2022にて筆者撮影
KOMODOのブースでは、「Steam」のゲームを楽しめる携帯型ゲーム機「Steam Deck」が展示され、実際にゲームプレーを体験できるようになっていた。写真は2022年9月15日、東京ゲームショウ2022にて筆者撮影
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 それに加えて、今回のゲームショウではパソコンのゲーミングに関連する周辺機器の展示が増加。これまで日本では主流とはいえなかったパソコンゲームが急速に盛り上がり、市場が活性化している様子を見て取ることができた。

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