社説検証

夫婦同姓合憲 朝毎など制度見直し求める 産経「子供の視点忘れるな」

夫婦別姓訴訟の上告審判決で合憲の判断を示した最高裁大法廷=16日午後(大西史朗撮影)
夫婦別姓訴訟の上告審判決で合憲の判断を示した最高裁大法廷=16日午後(大西史朗撮影)

 夫婦同姓を定める民法の規定について、最高裁大法廷が合憲の判断を示した。家族の形や価値観の多様化と、改姓の不便などを理由に夫婦別姓に賛成する朝日や毎日と、家族の絆を重んじる立場から別姓に反対する産経とで論調の違いが際立った。

 「時代に逆行する判断と言わざるを得ない」と断じたのは朝日である。「女性の社会進出は進み」「結婚したカップルの3組のうち1組が離婚」している。「姓を変えずに事実婚を選んだ人たちが様々な壁で苦労している」と訴えた。

 平成8年、法制審議会が同姓でも別姓でもよい選択的夫婦別姓の導入を答申したが、法改正に至っていない。

 朝日は「『結婚後も同じ姓で生き、同じ姓で死にたい』。そんな思いを抱えながら、苦しんできた人たちが、司法に救済の場を求めたのが今回の裁判である」とし、法改正ができない現状を打開することが「『憲法の番人』の役割であるはずだ」と不満を表した。

 最高裁は、夫婦同姓は社会に定着して合理性があるとした。女性が不利益を受ける場合が多いことは否定できないが、旧姓の通称使用が広まることで緩和されると指摘している。毎日はこの判決を「裏返せば一定程度の不利益は甘受しろ、ということだろうか。こうした主張が、特に女性の理解を得られるのかは極めて疑問だ」と批判した。

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