シリア反政府組織が新統合体 支援の受け皿に
【テヘラン=中西俊裕】内戦状態が続くシリアの主要反政府組織は11日、カタールで開いた会合で新たな統合体の設立に合意した。シリア内外から国民評議会(SNC)メンバー、武装勢力指揮官など60人が参加し、米欧やアラブ諸国からの支援の受け皿となる狙い。今後は国際社会の承認や支援の広がりをテコに、アサド政権打倒へ強い結束を維持できるかが課題となる。
新統合体の名称は「反政府・革命勢力のためのシリア国民連合」。亡命者を中心とするSNCメンバーのほか、シリア国内の活動家や武装勢力の指揮官らで構成。議長には穏健派のイスラム教説教師、ムアズ・ハティーブ氏を選出した。
ある反政府関係者は「すでにサウジ、トルコ、エジプトから資金獲得へ向け支持を得た」と表明。さらに国際社会の幅広い承認や支援を呼びかける考えだ。ただSNCと武装勢力の間には相互不信も残り、支援金の管理や配分で混乱も想定される。
シリア反政府勢力を巡っては、内部の路線対立によりSNCの影響力が低下。クリントン米国務長官が「反体制派のリーダーとは見なしていない」と指摘するなど、組織再編が急務だった。
アサド政権による民衆弾圧を懸念する欧米やアラブ諸国は、反政府各派に結束力のある統合体を作れば支援金を拠出できると示唆。シリア反政府各派はカタールで一週間以上会合を繰り返し、統合体の構成や運営方法を討議した。