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運転士、緊張の一瞬 デッドセクションを切り抜けろ 交直切り替え、JRに7カ所

 鉄道の電化方式の種類は直流と交流に分かれ、またがって列車が運行する場合は車両の電気方式を切り替える必要がある。このような区間はJRでは北陸線敦賀-南今庄(福井)など全国に7つ。切り替えの手順は、境界にデッドセクションという架線に電気を流さない区間を設定し、列車が惰性で走る間に運転士が電気方式をスイッチで変えるというもの。一瞬とはいえ電気が通っていないため、国鉄時代の車両などは車内の照明が消え、驚く乗客も見られた。

鳴り響く自動音声

 JR西の北陸線を走る普通電車521系。福井側から長い北陸トンネルを抜けると敦賀駅(福井)は目前だ。すると運転席に自動音声が繰り返し鳴り響く。「間もなく交直切り替え」。同線の上り線はトンネルを出た直後の地点で、電化方式が交流から直流に変わるのだ。切り替えは、架線に給電されていない数十メートルあるデッドセクションを惰行で通り抜けるときに運転士が行う。その注意喚起のアナウンスだ。

 切り替えずに直流区間に突入すると車両故障につながる。また、デッドセクションの途中で列車が停止してしまうと、電気の供給が受けられずに立ち往生する。実際、過去にこのような事故は発生している。

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