さいたまスーパーアリーナで11月7日に行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズのバンタム級決勝。WBA、IBF世界同級統一王者の井上尚弥(26)=大橋=と世界5階級制覇王者のノニト・ドネア(37)=フィリピン=の激闘は、ボクシング史に刻まれる名勝負だった。
結果は井上の12回判定勝ち。一夜明けの会見で「しばらくバンタム級に残る。もう(同級に)敵がいないというぐらいに」と同級完全制圧を宣言した。過去4人しか成し遂げていない、世界主要4団体統一王者を目指すと思われた。
しかし、一つの疑問が浮かんだ。同じ日にWBCの同級王座統一戦でノルディーヌ・ウバーリ(33)=フランス=に敗れた元暫定王者の弟・拓真(23)=大橋=とのすみ分けだ。父の真吾トレーナー(48)に問うと、「そこは(ジムの)会長が考えてマッチメークすると思う」と回答。続けて「(尚弥が)階級を上げるとか。そこは会長の判断」と示唆した。
WBO同級王者との3団体統一戦が決定間近ともささやかれている尚弥は今月2日、「ウバーリには、また拓真がいけばいい」と発言。井上陣営で話し合いが持たれたもようだ。尚弥が世界主要4団体統一王者となるのはスーパーバンタム級で、となるかもしれない。