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新港突堤や中突堤など再開発事業が進む神戸港のウオーターフロント。国内最長となる海上ロープウエー整備の検討も始まった
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新港突堤や中突堤など再開発事業が進む神戸港のウオーターフロント。国内最長となる海上ロープウエー整備の検討も始まった
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 神戸市が神戸港一帯の回遊性を高めるため、ウオーターフロント再開発事業で、国内最長を見込む海上ロープウエーの整備を検討していることが同市への取材で分かった。三宮の南にある新港突堤西地区と神戸メリケンパークのある中突堤、神戸ハーバーランドを結ぶルートを構想し、2021年度に調査を計画。実現すれば、海上から見下ろす臨海部に加え、市街地と背後に連なる六甲山系も眺望できる観光資源になりそうだ。(初鹿野俊)

 市都心部南の再開発では、新港突堤西地区で21年度、アートと水族館が融合した劇場型アクアリウムや商業施設などがオープンする。一方で、観光客が神戸港一帯を回遊できる手段が課題だった。

 神戸市は、ロープウエーは民設民営とし、港内にある市有地3カ所で乗降駅の建設を検討。最長であれば約1・2キロとなる。ただ、海上を渡す支柱の設置は、船舶航路との兼ね合いや景観への配慮、風など気象の観点から実現可能性を慎重に見極める必要がある。

 神戸港一帯の回遊性を高める他の方策としては、架橋や超小型車などの導入もあり、市は事業者から意見を聞く市場調査で、ロープウエー事業への参入意欲なども併せて把握し、計画を固めたい考え。21年度当初予算案に調査費を計上する方針。

 平地を結ぶ常設の都市型ロープウエーは、英ロンドンやシンガポールなど海外で観光名所となっている。日本では21年4月に横浜港(総延長約630メートル)で開業を予定する。神戸港は実現すれば、国内最大の事業となる可能性が高く、神戸市は移動だけでなく「新たなミナトを楽しむアトラクション」と位置付け、コロナ禍終息後のインバウンド(訪日外国人観光客)も見据えた集客の目玉として期待を寄せる。

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■万博見据え、臨海部活性化

 神戸港のウオーターフロントが変貌を遂げる。三宮の南に位置する新港突堤西地区は今秋に水族館などの複合施設が開業。ヨットの停泊場や水上レストランを設ける検討も始まる。物流拠点として栄えた地区は2025年の大阪・関西万博を見据え、人が集う場として活性化が図られる。

 第1突堤は15年に温泉宿泊施設が開業。突堤の基部(付け根部分)では今秋、水族館を核とした「神戸ポートミュージアム」やチョコレート博物館が誕生する。計700戸となる高層マンション群も建設中で、周辺人口も増える見通しだ。

 隣接する第2突堤も、ホテルや文化施設の整備を想定し、21年3月に優先交渉権者を決める。

 神戸市はさらに、突堤間の水域約5ヘクタールの活用に乗り出す。事業者らへの調査を踏まえてマリーナや水上レストランを想定し、21年度の公募を予定。波を抑える防波堤の造成を検討する。

 また神戸メリケンパークなどを含めた神戸港一帯のマネジメントを担う新会社を設立し、調和の取れた空間創出を目指す。

 同市は一連の再開発で、国際化を見据えた神戸空港の需要拡大も期待する。市の担当者は「万博は多くの人が関西に来る契機。民間投資を生かして人を呼び込み、神戸港のPRにつなげたい」としている。(横田良平)

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