京都市、28年度にも財政破綻の恐れ…来年度の財源不足500億円に

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 構造的な財政難にあえぐ京都市の門川大作市長は1日の市議会代表質問で、今後3年間を歳出の集中改革期間と位置付け、全ての現行施策を見直す考えを明らかにした。市は貯金である「公債償還基金」を取り崩して不足財源の穴埋めを続けてきたが、このままだと2028年度にも破綻状態の「財政再生団体」に転落する恐れがあり、財政健全化は待ったなしの状況となった。(葉久裕也)

 「行財政改革推進本部を立ち上げ、歳出改革の進捗しんちょくや資産活用等の管理に全身全霊で取り組む」

 険しい表情で答弁に臨んだ門川市長は、今後3年間の事業全てを見直し、月内に打ち出す歳出に関する改革方針のポイントとして、▽国の水準を上回る事業の見直し▽若い世代への財源の再配分▽公共施設の最適な管理▽投資的経費の計画的な執行▽人件費削減▽繰り出し金の見直し――の6項目を挙げた。

 市がまとめた財政収支の中期見通しによると、人件費削減など現行の計画に基づく改革だけでは、21~33年度で総額5620億円もの財源不足に陥る。既に毎年300億円前後の財源不足に苦しんでおり、将来の借金返済に積み立ててきた公債償還基金を取り崩しているが、コロナ禍による市税収入の悪化で来年度の不足額は500億円に膨らむ見込みだ。

 このまま推移すれば1400億円近く残る基金も26年度に底をつき、28年度には企業の倒産に例えられ、国の管理下におかれる財政再生団体に転落する恐れがある。財政健全化に向け、市は33年度時点で基金を473億円残す「当面の目標」を掲げているが、達成するには総額3420億円もの財源を捻出する必要に迫られている。

 市は経営者や弁護士らで公共事業や施設運営のあり方などを検討する「持続可能な行財政審議会」の議論も踏まえ、改革方針をまとめるが、福祉の見直しなど市民サービスの低下に踏み込む可能性もありそうだ。

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