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ビートたけしが語る恋愛小説初挑戦の意図 次作の構想も明かす「宮部みゆきみたいに…」

 タレントのビートたけし(70)による自身初の恋愛小説『アナログ』(新潮社)が、きょう22日に発売される。多忙な合間を縫って、ノートに手書きしながら執筆する、まさに“アナログ”なスタイルで臨んだ力作がついにお披露目されるが、執筆時の心境を聞いてみると、映画監督として“世界の北野”の称号を持つたけしらしく「映画だったら、映像で3秒だけで表現できることが、言葉にするとあらゆることを説明しないといけなくなっちゃうから4ページくらいになって、そこが本当に大変だった」と、小説ならではの難しさを語った。

恋愛小説『アナログ』を出版するビートたけし (C)ORICON NewS inc.

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 文中には「デジタル社会への違和感」がたびたび記述されているが、映画界でも“デジタル化”による弊害も出てきていると分析する。「確かにデジタルは便利だし、今はデジタルとオープンセットで映画を撮るんだったら、費用も同じくらいかデジタルの方が安いくらい。だけど、デジタルっていうのは『(リアルで)できないことをやるもの』なんで、それを多用すると、どの作品も結局は似たような表現になっちゃう。だから、なるたけアナログでいきたいなって思っているんだよね」。

 こうした思いを表現するために“恋愛小説”というジャンルを選択した。「ピース又吉(直樹)が芥川賞を取って、又吉が書けるならオレにも書けると思ってやってみようと。それで海外のメディアとかでも『どうして、あなたはバイオレンス映画が好きなんだ』ってよく言われていたんで、『だったら、純愛映画を撮ってやる』って何となく考えていたものがあって、それを小説で書いてみようってなった」。これを聞いて、たけしが常々提唱する「振り子の理論」を思い出した。

 「暴力とは反対の方向へ振れるだけ振っておけば、今度暴力の側へ戻ってきたとき、今までよりも、もっとずっと過激に表現することができる。振り子も愛と暴力の間でだけ振れるんじゃなくて、お笑いの方へも振ってみたいし、あらゆるところへ振っていく。その振幅が大きければ大きいほど、他へいったときもっと大きいことができる。おいらは、平面的な振り子ではなくて、三百六十度あっちこっち振れて、結果的には水平にぐるぐる回ってしまうぐらいなことをやりたい」(『私は世界で嫌われる』 新潮文庫)

 今回の小説でもこの理論が応用されており、主人公たちの純愛、仲間たちのくだらない話のかけあい、母親の介護といったように、読み手が“ラブ”と“コミカル”と“シリアス”の振り子の虜になる中身に仕上がっている。「やっぱり、どうしても笑いに走っちゃうところがあって、仲間たちのくだらない話なんて普段(たけし)軍団で話していることと同じだから、何冊だって書けちゃう。だけど、ほかのシーンは状況を説明するのに長くなっちゃって、そこが本当に大変だったね」。

 これまで多くの著作があるたけしだが、今作は「(詩集以外で)自分が話した内容をまとめてもらうという形じゃなくて、初めて自分で書いた」という。次作への意欲も十二分にあるようで、「これが売れたら次があるから(笑)。今度は宮部みゆきみたいにサスペンスでも書いてみようかな。刑事モノの海外ドラマをよく見ているんだけど、どんな理由でどうやって人を殺してっていうのがたくさんあって、あれをいろいろ考えてみるのは面白いだろうなって思うね」と腕を鳴らしている。

 フジテレビ系長編特別番組『FNS27時間テレビ にほんのれきし』の総合司会、映画「アウトレイジ」シリーズ最新作『アウトレイジ 最終章』の公開と、今年は例年以上に精力的に活動している。「今年はよくやったよ…。本当はやらなくてもいいんだけど、やっぱり自分に負荷をかけないといけないと思っているし、新しいことをやれなくなるのが怖いから、チャンスをくれるんだったらやりたいなと思う」。お笑い、映画、そして小説。今回の『アナログ』は、あらゆるジャンルを最前線でぐるぐると猛スピードで回り続けている「ビートたけし」だからこそ書ける恋愛小説だ。

■『アナログ』のあらすじ
「お互いに会いたいという気持ちがあれば、絶対に会えますよ」。すべてがデジタル化する世界で悟とみゆきが交わした、たったひとつの不器用な約束。素性も連絡先も知らないまま、なぜか強烈に惹かれあう2人の「アナログ」な関係が始まった。

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  • 恋愛小説『アナログ』を出版するビートたけし (C)ORICON NewS inc.
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