宝塚歌劇団に是正勧告4回、過去10年で労災90人規模

劇場などが入る建物の「宝塚歌劇」の文字
劇場などが入る建物の「宝塚歌劇」の文字

今年9月に所属する女性劇団員(25)が急死した宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)が平成12年以降、割増賃金の不払いや労務管理の不備があったとして労働基準監督署から計4回の是正勧告を受けていたことが23日、関係者への取材で分かった。過去10年間で労働災害が90人規模で発生していたことも判明した。

急死した劇団員の遺族側弁護士は、上級生らによるパワハラや長時間労働が原因で自殺したと主張。西宮労基署は労働実態を把握するため、11月に歌劇団への立ち入り調査を実施。今月6日にも調査に入っている。

関係者によると、歌劇団は令和3年9月、裁量労働制で働いている一部スタッフの実労働時間を適切に把握していなかったほか、演出助手の休日割増賃金の不払いで是正勧告を受けていた。平成25年は時間外労働の支払い、17年が労働条件の通知関連、12年に労働時間で是正勧告を受けた。

労災はここ数年で急増していることも分かった。4日以上の休業が必要となったケースも過去10年で10人以上あった。歌劇団によると、劇団員が稽古や公演中に捻挫や転倒による打撲などのけがをした場合、労災として届け出ているという。公演の難易度が上がり、劇団員の身体的な負荷が高まっているとの指摘もある。

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