中日ドラゴンズ私設応援団訴訟、名高裁が入場禁止認める判決
プロ野球・中日ドラゴンズの私設応援団員らが日本野球機構(NPB)と12球団を相手取り、応援活動禁止措置の取り消しと約1400万円の慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。渡辺修明裁判長は一審・名古屋地裁判決を一部取り消し、原告側の訴えを全て退ける判決を言い渡した。
渡辺裁判長は判決で、原告側の訴えに対して「プロ野球を観戦することが生活上不可欠なものとは認められない」と指摘。NPBなど被告側が、暴力団との関係などを理由に応援団員22人に対して球場への入場を禁止したことについて、「不当な差別には該当せず、違法と評価する事情がない」とした。
一審判決は入場禁止措置について、「裁量権を逸脱するもの」として無効と判断。被告側に計約24万円の慰謝料の支払いを命じていた。
一方、トランペットなどを使う応援団の活動については、「試合主催者の裁量で許否が決められる事柄」とした一審判決を支持した。
原告側の弁護人は「全面敗訴の判決は非常に残念。上告については判決をよく読んでから検討したい」としている。
日本野球機構は「プロ野球が進めてきた暴力団等排除活動の正当性が認められた意義のある判決と受け止めている」とコメントした。