朝乃山以前の富山出身三役、元関脇・琴ケ梅さんの店名物「水晶鍋」

スポーツ報知
梅酒を手に出迎える元関脇の店主・琴ケ梅さん

 開催中の大相撲九州場所では、新小結・朝乃山(25)=高砂=が新三役として活躍しているが、富山県出身力士の三役昇進は、1985年の琴ケ梅以来34年ぶりのことだった。

 元関脇・琴ケ梅(本名・北山聡)さんは、日本相撲協会・八角理事長(元横綱・北勝海)と同期で、元横綱・双羽黒、元大関・小錦、元関脇・寺尾らと昭和38年生まれの“花のサンパチ組”と呼ばれ、千代の富士時代の大相撲を大いに盛り上げ、現在は、東京・墨田区錦糸にある「力士料理 琴ケ梅」を経営している。

 元力士が店主のちゃんこ店は数多くあり、人気力士のしこ名が屋号になっている店(名義貸し)は多いが、店主として店頭にいる店は少なく、その代表格が「力士料理 琴ケ梅」だ。

 地方場所中でも、東京で相撲人気を盛り上げており、テレビ観戦後に雰囲気を楽しむことができる。やせたとはいえアンコ型で金太郎さんのような琴ケ梅さんは「後輩が活躍しているのを見るとうれしいよ」と目を細める。店には八角理事長も記者を連れてやって来る。元寺尾の錣山親方が食材を差し入れに来た時に遭遇したことがあるが、「こんな店取材しなくていいよ」とにやけながら言う錣山親方に現役時代から変わらない友情を感じた。梅関は「北尾(双羽黒、2月に病没)は同期の誰にも知らせずに亡くなった。自分はお客さんに支えられてるのでまだ頑張るよ」と笑った。

 名物は「水晶鍋」(一人前3050円)。スープが水晶のように透き通って輝く佐渡ケ嶽部屋伝統の塩ちゃんこだ。ほかにもキムチ鍋、カレーちゃんこなど鍋だけで11種類あり、創業21年の年輪感じる。しこ名にちなんで梅酒も多く、「魔王の梅酒」(630円)など12種類。水晶鍋と梅酒はよく合うのだった。(酒井 隆之)

 ◆「力士料理 琴ケ梅」 錦糸町本店 東京都墨田区錦糸3の4の4(TEL03・3624・7887)。午後5時~11時。日祝日定休。八丁堀店(東京都中央区新川2の1の10、TEL03・3552・8422)では、平日ランチもある。

 ◆琴ケ梅 剛史(ことがうめ・たけし) 1963年10月5日、富山・八尾町(現富山市)生まれ。56歳。79年に佐渡ケ嶽部屋に入門し春場所初土俵。85年春新入幕。関脇を通算12場所務めた。97年夏に引退。殊勲賞1回、敢闘賞4回、技能賞2回。現役時代は180センチ、187キロ。

スポーツ

×