いわきFC

【いわきFC J3への軌跡(下)】将来的な展望 課題多く

2021/11/07 11:28

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いわきFCのクラブハウスを備えるいわき市の「いわきFCパーク」。J3昇格後の方向性を模索しながら、さらなる飛躍を目指す
いわきFCのクラブハウスを備えるいわき市の「いわきFCパーク」。J3昇格後の方向性を模索しながら、さらなる飛躍を目指す

 25日に開かれるJリーグ理事会でいわきFCのJ3昇格が正式決定する。クラブとして成長していく将来的な展望を見据えると、スタジアムの整備や次期監督の選定など課題は多く、地元行政や経済界の支援、さらなるサポーターの拡大が求められる。

 いわきFCはJ3のクラブライセンスの交付を受けている。J3参入要件の一つである施設基準に、5千人以上の観客席やナイター設備(2023年度から)の確保などが求められる。だが、いわき市内に条件を満たす施設が無いため、今回のJ3ライセンスの申請ではホームタウンを締結した双葉郡8町村にあるJヴィレッジスタジアム(広野町)をホームスタジアムに設定した。

 さらに、将来的なJ2昇格などを考えると1万人以上を収容できるスタジアムの整備が求められる。Jヴィレッジスタジアムの収容人数は5千人で、県内で条件をクリアするスタジアムはないのが現状だ。クラブライセンスの交付には他にも財務状況やアカデミー世代の育成組織、天然芝の確保など合わせて57の審査項目が細かく定められている。いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長は「Jリーグに入ると資金も必要。地域に存在するクラブとして何が一番良い道か、これから方向性を考えていきたい」と話す。

 チームの設立時点から選手育成に携わり、2017(平成29)年から監督を務める田村雄三監督は今季で退任する。Jリーグ監督に必要なS級ライセンスを所持していないためだ。

 「90分間走り続けるサッカー」というハードワークや、フィジカルの強さなどいわきFCのチーム文化を築いてきた田村監督だが「(達成度は)60、70点くらい」と振り返る。3日の東京武蔵野ユナイテッドFC戦後、記者団に次期監督について問われると「チームの背景や原点を理解しつつ、戦術などの部分で肉付けをしていって高みに導いてほしい」と期待した。