九州場所で初優勝を飾った小結貴景勝(22)=千賀ノ浦=だが、本人以上に注目されているのが、美人母の佐藤純子さん(51)だ。
ワイドショーや新聞などで紹介されると「女優かと思った」「松坂慶子に似ている」と話題沸騰。インターネットで「貴景勝」と検索すると、一番上に出て来るのが「母」で、ツイッターのハッシュタグ(#)にも「貴景勝母」があるほど大反響を浴びている。
九州場所千秋楽でNHKのテレビカメラは何度もマス席の父・佐藤一哉さん(57)を映したが、そばに純子さんの姿はなかった。
「私はいつも立ってひとりで見ているんです。優勝の瞬間は泣き崩れてしまいました。私はそんなに感情を表に出すタイプではないんですけど、あのときは飛び上がってしまいました」。こっそり2階最上部の自由席にいたという。
九州場所は前半戦の4日間と、14日目、千秋楽を観戦。チケットを手配してもらうわけではなく、「朝から並んで(自由席を)買っています。私はウロチョロしたい方なので。やはり相撲のときは、見ていられなくなる。それに、見ていない方が勝つことが多いんです」と親心をのぞかせた。マス席は靴を履いたり脱いだりの手間があって身動きが取りづらく、自由席の方が比較的動きやすい。
支度部屋で賜杯を抱いて後援者などと万歳三唱をしたときや、恒例の鯛を持ち上げての撮影のときも「主人がいるので、私は結構です」と写真に入らず。親族だけでの記念撮影のときだけが、唯一の登場だった。
貴景勝の幼少期は、体を大きくするために「月の食費は30万円」。しかし「力士になることは反対だった」という。
テレビカメラの前でエピソードを語ってもらおうと、ワイドショーから両親ツーショットでのインタビューを求められた際も断り、一哉さんだけで行うなど、夫を立てる慎ましやかな女性だ。
相撲に厳しい父親に育てられ22歳の若さで初優勝した貴景勝だが、優しい母親がいてフォローしていたからこそといえる。(塚沢健太郎)