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コロナで動物園苦慮 餌代負担重く、「園内感染」も心配

新型コロナ
愛知
中部
社会・くらし
2020/5/2 10:54 (2020/5/2 12:56更新)
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のんほいパークでキリンに餌を与える飼育員(4月、愛知県豊橋市)

のんほいパークでキリンに餌を与える飼育員(4月、愛知県豊橋市)

新型コロナウイルスの感染拡大防止で各地の動物園は軒並み休園している。入園料の収入を絶たれても、動物の餌代や飼育員の人件費は必要になる。厳しい状況にある民間動物園は再開後に使える割引チケットを販売したり、広く資金を集めたりして支援を求めている。各動物園は「開園できる日に向けて動物の健康管理に注意を払いたい」としている。

兵庫県に緊急事態宣言が出たのを受け、民間動植物園「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)は4月8日から休園している。佐藤哲也園長(63)は「収入はゼロで、厳しい状況だ」と話す。

休園していても動物の餌代や飼育の人手に費用がかかる。1日5キロの肉を食べるスマトラトラの餌代は1頭あたり月10万円。園内にいる110種、600頭羽の動物の餌代は月300万円に上る。ペンギン用の池の水を毎週入れ替えるなど飼育に大量の水を使うため、水関係の費用も月300万円かかる。

同園は少しでも収入を補おうと「再開夢チケット」と名付けて再開後に使える入場券を割引価格で販売している。

4月14日から休園している豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」(愛知県豊橋市)。滝川直史公園長は「4月の収入はほぼゼロ。餌代が重い」と厳しい表情で語る。アジアゾウの餌代は1日1万円弱。5、6回にわけてリンゴやタケなど70キロを食べる。キリンの生の葉、ペンギンの魚など、園内800頭羽の餌代は毎月500万円に上る。

同園では動物によって飼育の仕方や餌のやり方が異なるため、休園中も大半の飼育員が出勤している。繁殖期を迎えている希少なペンギンなど、産卵や赤ちゃんの管理は専門の飼育員にしかできず、人件費を抑えるのも難しいという。

休園で入園料と移動動物園の出張費などの収入源が絶たれた福岡県内の民間動物園は、動物の餌代などへの支援を求め、クラウドファンディングで資金を募っている。

海外の動物園も事情は同じだ。休園中のドイツの動物園は経営危機に直面し、最悪の場合は飼育動物の殺処分を検討していると明らかにした。

日本動物園水族館協会(東京・台東)によると、加盟する全国91の動物園と52の水族館は4月27日時点ですべて休園している。同協会の担当者は「営業できなくても飼育員は休めず、どこも経営は厳しい。特に民間施設はチケット収入が柱で打撃が大きい」と話す。

局所的な自然災害の場合、協会が中心となり被災地の施設向けに募金活動を行うことなどもあるが、全国的な休園では個別施設への経営面の支援は難しく、マスクや消毒用アルコールを送る援助にとどまっている。

一方、動物園では動物の新型コロナ感染にも警戒している。海外では人間からペットの犬や猫に感染したとみられるケースが複数報告され、米ニューヨーク市の動物園ではトラへの感染が判明。飼育員からの感染が疑われている。

「イケメンゴリラ」で知られる東山動植物園(名古屋市)では感染対策を強化。トラやライオン、ゴリラなどを世話する飼育員が同じ場所に集まらないようシフトを組み替えている。広報担当者は「消毒や感染予防を徹底し、再開を楽しみに待っている子どもたちを万全の状態で迎えたい」と話している。

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