連続リンチ殺人事件、元少年3人の死刑回避訴え 最高裁弁論
大阪、愛知、岐阜の3府県で1994年、11日間で男性4人が殺害された連続リンチ殺人事件で、強盗殺人や死体遺棄などの罪に問われ、二審でいずれも死刑判決を受けた犯行時18~19歳の少年の被告3人の上告審弁論が10日、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)であった。弁護側は「反省しており、更生可能性はある」として死刑回避を訴えた。
最高裁は二審で死刑判決を受けた被告の上告審では慣例として弁論を開く。判決期日は追って指定される。
弁論で弁護側は「精神的に未成熟だった被告らが虚勢を張り合い、互いの行動を阻止できないまま殺害に至ってしまった」などと主張したのに対し、検察側は「4人の命を奪った犯行は重大」として上告棄却を求めた。
二審判決によると、3人は94年9月、大阪市で男性(当時26)を絞殺し高知県に遺棄。10月には愛知県の木曽川河川敷で男性(同22)を殺害し、別の男性3人を車に監禁。うち2人を岐阜県の長良川堤防で金属パイプで殴るなどして殺害した。
2001年7月の一審・名古屋地裁判決は、主犯格とされた被告を死刑とする一方、他の2人は「罪の償いを続けさせるべきだ」として無期懲役にしたが、05年10月の二審・名古屋高裁判決は「刑の選択を分けるほどの差異はない」として3人全員を死刑とした。
19歳で連続4人射殺事件を起こした永山則夫元死刑囚の死刑が確定した90年以降で、少年事件で死刑が確定したケースは、千葉県市川市一家4人殺害事件のみ。