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ラップからバラードまで、守備範囲はあってなきがごとし。ヒップホップもR&Bもジャズもポップスも……すべて飲み込んでボーダーレスにノンジャンルに自分のスタイルで歌う。頼りになるのは自身の感性。デビュー前に、ニューヨークにある音楽の殿堂、アポロシアターのステージに立ち、「100万人にひとりのアーティスト」と絶賛された清水翔太。その称賛にも素直にうなづける。それがこのファーストアルバム『Umbrella』だ。音楽という名の大海を、文字どおり“自由形”で自在に泳ぐ彼の姿は、どこにも無理がなく伸びやかなもの。ソウルをハートとボディーで表現する、ホントの“歌うたい”の登場である。
■ファーストアルバムの制作はいかがでしたか?
清水:アセることもなく自然にやれました。とはいえ初めてのアルバム制作だったので、たぶん戸惑うべきポイントはたくさんあったと思うんですけど、そこで戸惑ったらダメになっちゃいそうで。だからひたすら自分を信じて突き進んでいったというか。その結果できたアルバムっていう気がしますね。
■「こんなアルバムにしたい」といったテーマのようなものはありましたか?
清水:テーマとかコンセプトはなくて、今、自分が表現したいこと、するべきことを集めていった感じでした。基本的には自分のオリジナルのデモのなかから、いいと思う曲を抜き出していくという形で。なのでいちばん古い曲は13才とか14才で作ったもので、いちばん新しいのは2か月前に作った曲だったりするんですよね。
■13〜14才くらいのときに作った曲は?
清水:『My Love』です。今聴くと子どもっぽく感じるんですけど、それはそれでその当時のリアルなんで。
■でもその年齢で作った曲にしては大人っぽいですね。
清水:そうですか? なんかカワイくないですか(笑)。
■たしかにそうとも言えますけど、大人でもこういうふうに思うことはあるので。大人がすごく素直な気持ちをあえて歌った、と言えなくもない(笑)。
清水:それはありますね。でも今だと書けない言葉とかが、この曲にはたくさんあって。やっぱりその年齢の時にしか書けなかった言葉なんだな、って思うんですよね。それは今書いているものにも言えることで。きっと今後失っていくものもたくさん、このアルバムのなかにはあると思うんです。だからこそ“自然”に出てくるものを大事にしたいなぁと。
■それは清水さんの基本にあることですか?
清水:そうですね。曲を作る、歌詞を書く、歌う、すべてに関して自然でありたいと思っているので。だから僕の作る曲はジャンルもいろいろなんだと思うんです。その曲が伝えたいこと、表現したいことだけを考えて形にしていくから。結果、自分が吸収してきたものが、意図せず出てくるというか。で、それが清水翔太の音楽なんじゃないかと思うんですよね。
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「13才とか14才で作った古い曲も入っています」 |
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