宮台教授襲撃の約2週間後に自殺 容疑者とみられる男

警視庁が公開した殺人未遂容疑で行方を追っている男の画像。相模原市中央区宮下本町の路上を自転車で走行する様子が防犯カメラに写っていた=令和4年11月29日午後12時05分ごろ
警視庁が公開した殺人未遂容疑で行方を追っている男の画像。相模原市中央区宮下本町の路上を自転車で走行する様子が防犯カメラに写っていた=令和4年11月29日午後12時05分ごろ

東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで昨年11月、同大教授の社会学者、宮台真司さん(63)が首などを切られて重傷を負った事件で、警視庁捜査1課が画像を公開し、殺人未遂容疑で行方を追っていた容疑者とみられる男が、死亡していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。死亡したのは、事件発生から約2週間後の昨年12月中旬で、自殺と判明。捜査1課は男の容疑が固まり次第、殺人未遂容疑で書類送検する方針。

捜査1課によると、容疑者は相模原市南区の無職の男=当時(41)。昨年12月17日午前11時ごろ、自宅から約300メートル離れた別宅の一軒家で、息子の様子を確認に訪れた母親が、男が首をつった状態で死亡しているのを発見した。

神奈川県警が室内から遺書を見つけており、男は警視庁による公開捜査の4日後の昨年12月16日に自殺を図ったとみられるという。遺書には宮台さん襲撃事件に関する記述はなかった。自宅の押し入れからは、全長約30センチのおのが見つかっており、捜査1課は襲撃事件に使用されたものか鑑定を進める。

男は両親と3人暮らしで、寝るために別宅を使用していた。母親によると、男は捜査1課が襲撃事件の容疑者とみられる男の防犯カメラ画像を公開した昨年12月12日から、男が食事を取らないなど様子がおかしくなっていた。

捜査1課によると、男は襲撃事件の1週間前にも現場近くのコンビニエンスストアを訪れていることが判明し、使用していた自転車を調べた結果、今年1月30日に男が浮上。現時点で宮台さんとの接点は判明していないという。

事件は昨年11月29日午後4時15分ごろに発生。キャンパス敷地内で歩いていた宮台さんが背後から殴られた上に、後頭部や首などを刃物で切りつけられ、重傷を負った。執拗(しつよう)に襲われたとみられ、両腕には抵抗した際にできた防御創もあった。

事件当日、宮台さんは週1回の講義のため出勤。午後4時10分に講義を終え、当日最後の講義がリモートだったため、自宅に向かおうと、駐車場の方向に歩いていた途中に襲われた。

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