「ファッションは知的財産」、権利保護へ初の学術機関発足
安売り衣料品チェーンに対抗
NYコレクション2011春夏
ファッションウィーク開催にあわせ、ファッション業界と法律に焦点をあてた全米初の学術機関「ファッション・ロー・インスティテュート」が8日、フォーダム大学(ニューヨーク市)内に正式開設された。割安さを武器に急成長しているファストファッション企業は、ファッションショーで披露された新デザインに似た衣料品販売が人気の1つと言われる。新たな知的財産権問題を皮切りに、ファッション業界が潜在的に抱えている法律問題の所在を明らかにするのが狙いだ。
ニューヨーク州では米ファッション・デザイナー協議会(CFDA)がなどが、ファストファッション企業の行為を差し止め、デザイン保護が認められるよう州政府に働きかけている。チャールズ・シューマー上院議員が8月、州議会に「デザイナーの創造的なデザインの知的財産権を守る」法案を提出した。デザイナーが自分のデザイン一つ一つに登録商標をつけられるかどうかは議論の分かれるところだが、法とファッションの関連性に関心が集まっている。
ファッション・ロー・インスティテュートは、CFDAが開設に向けて100万ドルを寄付した。CFDA理事長でもある人気デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ氏は8日の記者会見で「新人デザイナーは自分のビジネスを成長させるために様々な"契約"と直面する。自分たちで情報を集め、法を理解することはとても重要だ」とあいさつ。知財権保護以外のテーマにも積極的に取り組む姿勢を見せた。
同機構に参加するスーザン・スカフィディ教授は「製造がグローバル化するにつれ、通商貿易、政府条例、消費者の安全など複雑化している」と指摘していた。