京丹後市丹後町の宇川ハウスで17日、下宇川地区の文化祭があり、林保之さん(75)が7年がかりで丹後杜氏(とうじ)について調査、研究した成果をポスター展の形で発表した。丹後町宇川地区出身者を主力とする丹後杜氏は近畿や北陸の酒蔵で活躍したが、組合が解散して久しい。林さんは「丹後杜氏は宇川地区の財産。このままでは貴重な資料は散逸してしまう。後世に語り継ぐには資料を集める必要がある」と語った。
丹後杜氏は江戸期から京都・伏見に入ったと伝えられる。宇川地区は零細な農家が多く、冬場の貴重な出稼ぎの場だった。明治末から大正期にかけては300人を超えたという。60歳代の住民は「父は稲刈りと秋祭りが終わると、杜氏として金沢の酒蔵に働きに出た。父の出稼ぎと母の帯の仕事で大学で学ぶことができた」と語った。
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