富士フイルムが米ゼロックス提訴、統合解消巡り10億ドル超賠償請求

富士フイルムが米ゼロックス提訴、統合解消巡り10億ドル超賠償請求
 6月18日、富士フイルムホールディングスは、同社との経営統合合意を破棄した米事務機器大手ゼロックスを相手取り、10億ドル超の損害賠償支払いを求めて提訴した。写真は富士フイルムホールディングスのロゴ。都内で1月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス<4901.T>は18日、同社との経営統合合意を破棄した米事務機器大手ゼロックスを相手取り、10億ドル超の損害賠償支払いを求めて提訴した。
富士フイルムは、ニューヨーク州のマンハッタン連邦地裁に提出した訴状で、ゼロックスが統合合意の解消に際し「意図的かつ悪質な行為」に関与したと指摘した。
ゼロックスは先月13日、富士フイルムとの経営統合合意を撤回すると発表し、合意内容に反対していた主要株主でアクティビスト(物言う投資家)のカール・アイカーン、ダーウィン・ディーソン両氏と和解したことを明らかにした。また、ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)が退任し、新CEOにジョン・ビセンティン氏が就任する見通しと発表した。統合撤回の理由として、会計上未解決の問題があることも挙げていた。
富士フイルムは18日の声明で、「ゼロックス株のわずか15%しか保有しない少数株主のアイカーン氏やディーソン氏にゼロックスの運命を支配させるのは株主民主主義と相いれない」とした。
一方ゼロックスは、統合合意を解消する契約上の権利があったと引き続き「非常に強く確信している」とする声明を発表し、富士フイルムの「不適切な経営・管理」に対し賠償を求めて行く考えを示した。
アイカーン氏とディーソン氏はコメントの要請に応じていない。
富士フイルムはゼロックスとの経営統合により少なくとも17億ドルのコスト削減や年間10億ドルの増収を実現できるとみていた。
ゼロックスに対する訴訟では、懲罰的損害賠償や統合解消に伴う違約金1億8300万ドルの支払いも求めている。
18日の米国株式市場でゼロックスは0.6%安で取引を終えた。

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