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【リオデジャネイロ=淵上隆悠】ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領が、新型コロナウイルスを巡って中国批判を展開し、物議を醸している。ブラジルは中国製ワクチンに依存していることから、今後の供給に影響が出かねないとの懸念が広がっており、保健相が火消しに躍起になっている。
ボルソナロ氏は5日の演説で、ウイルスが人為的に作られた可能性や化学・細菌戦に触れながら、「我々は新しい戦争に直面しているのか。最も国内総生産(GDP)を伸ばした国はどこだ」と述べた。中国と名指しはしなかったものの、明らかに中国を念頭に置いたものだと受け止められている。
ボルソナロ氏の発言に慌てた保健相は7日、駐ブラジル中国大使と面会。その後、記者団に「大統領は中国について話したわけではない」と述べ、軌道修正を図った。保健省によると、国内では、人口の約15%に当たる約3100万人が少なくとも1回のワクチン接種を終えており、中国製が75%を占めている。