しかし、6月から約4カ月の竣工期間は練習場所の確保に苦労した。近隣の小中学校を借りる形で練習時間を確保してきたが、同じ条件下での反復練習はできない。高校最後の大会を目前に控え、長田主将は「自分たちのグラウンドでできないというのは厳しい状況だった」と、危機感を抱いていた。
それでも「当たり前のように毎日、グラウンドでできるありがたさ、感謝を感じる期間だった」。環境面のハンデを乗り越えたとき、ラグビーに不自由なく取り組めるよろこびを感じ、競技に取り組む姿勢もより前向きになった。
2年ぶりのV奪回に向けての挑戦権を手にしたが、湯浅監督は「ハンデを言い訳にしないくらいにやってるかと言われればどうか。勝ったという結果があるだけで全然ダメ」と求めるレベルは高い。長田も「目標はあくまで日本一。修正しないといけないことはたくさんある」と気を引き締めた。自慢の人工芝グラウンドでさらに鍛え抜き、花園の頂点に駆け上がる。 (須藤佳裕)