トップページの中の 月報「あすの九州・山口」の中の地域動向情報平成20年度(山口)

地域動向情報

昭和の街並み再現 下関・長府商店街に人恋横町オープン
2009年01月号

 下関市の長府商店街に活気を取り戻そうと、地元有志らでつくる民間団体「長府人恋横町」(安岡克昌会長)は10月11日、同市長府中之町を中心に昭和の街並みを再現した「昭和れとろ処・長府人恋横町」をオープンした。
 約500m続く商店街の店舗を中心に、28カ所を「街角小さな博物館」として「昭和レトロ」を感じさせる品々を展示。
 懐かしい映画ポスターも展示され、フーテンの寅さんで知られる「男はつらいよ」全48作のほか、下関出身の俳優故松田優作が出演した作品のポスターが並ぶ。
 同会の事務局がある正円寺の近くには、2階建ての空き店舗を改装して昭和レトロの品々を多数集めた展示館(約130㎡)を整備。メンバーでもある正円寺住職の野崎智愛氏が約20年前から収集してきた"お宝グッズ"を並べ、郵便局や駄菓子屋、薬局、酒屋などの昭和の街並みと、ちゃぶ台や火鉢、氷の冷蔵庫などの茶の間を再現した。
 展示館の向かいには懐かしい看板や円柱形の郵便ポストなどを飾ってベンチを配置した休憩スペースも設けている。
 展示館の入場料は大人300円、中高生100円(小学生以下は保護者同伴で無料)。
《問い合わせ先》
正円寺 TEL:083-245-1288

創業130周年 やまぎん史料館オープン
2009年02月号

 山口銀行(福田浩一頭取)は創業130周年を迎えた昨年11月25日、県の有形文化財に指定されている下関市観音崎町の「山口銀行旧本店」の隣に、創業当初からの史料や郷土工芸品を展示する展示棟と収蔵庫を新設し、「やまぎん史料館」を開館した。 山口銀行は1878(明治11)年、前身の第百十国立銀行の開業でスタート、1944(昭和19)年に県内の6行が合併して設立。旧本店の建物は現在の本店が完成する1965(昭和40)年まで使われていた。 史料館の展示棟は鉄筋コンクリート4階建てで、収蔵庫は同3階建て。旧本店とは渡り廊下でつながっている。展示棟の見学スペースは延べ約1,600m2で、1、2階の展示スペースには萩焼や赤間硯(すずり)など県内の伝統工芸品を常設展示。 2階には創業から現在までの山口銀行の歩みを振り返る文献や年表パネル、利用者に配布していた歴代の記念品や国が発行した36種類の記念貨幣など金融に関する資料計約320点を展示。子どもが銀行の仕組みを楽しみながら学ぶことができるようスコープで紙幣を拡大して隠れたマイクロ文字を探すことができるコーナーなども設置されている。 3階の展示室では2月末まで、萩焼の大家、11代三輪休雪氏の作品約30点を特別展示。4階は所蔵史料の閲覧、休憩スペース、屋上は関門海峡を望む芝生緑化ガーデンになっている。 展示イベントとして、2月末まで旧本店1階で「下関の古き建物を中心とした写真展」を開催している。 入場無料で、開館時間は午前10時~午後5時。月曜と火曜、祝日は休館。(ただし、土日が祝日の場合は開館) 《問い合わせ先》 やまぎん史料館 TEL:083-232-0800

「中也の兄弟たち」中原中也記念館で企画展開催中
2009年03月号

山口県湯田温泉の中原中也記念館で12月17日から4月19日まで、企画展「中也の兄弟たち」が開催されている。男ばかり六人兄弟の長男だった中也と弟たちとの関係や弟たちの生きざま、業績などを紹介。 医院を開業していた中原家は、長男・中也(1907~1937)を筆頭に、次男・亜郎(つぐろう)(1910~1915)、三男・恰(こう)三(ぞう)(1911~1931)、四男・思(し)郎(ろう)(1913~1982)、五男・呉(ご)郎(ろう)(1916~1975)、六男・拾郎(じゅうろう)(1918~2003)の兄弟がいた。 企画展には関係する資料41点を展示。亜郎に関しては1936(昭和11)年の「詩的履歴書」に幼い弟を亡くした記述がある。恰三は中也が詩人として東京で生活していたころに亡くなっており、追悼詩のほか、1933(昭和8)年の小説「亡弟」では泰三という名前でモデルにしている。2人の弟の死の衝撃は、中也にとって詩作の動機のひとつになったとみられる。 思郎氏は京都帝大を卒業後、宇部興産などに勤め、戦後湯田に戻り、地元新聞にエッセーや小説を投稿。後年、中也研究に熱心に取り組み、著書多数が残されている。 呉郎氏は長崎医大を卒業し、閉鎖されていた中原医院を1945(昭和20)年ごろに再開。兄弟の中で唯一父親の後を継いだが、ハンセン病の病院や無医村の診療所などを志望し、全国各地を飛び回った。 拾郎氏は会社員の傍らプロを目指していたハーモニカ演奏を続け、63歳の時に国際ハーモニカテープコンテストで優勝。1993(平成5)年には中也詩に曲をつけて演奏したCD「雪の宵」をつくった。 《問い合わせ先》 中原中也記念館 TEL:083-932-6430

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