夫婦別姓めぐり国を提訴 事実婚の男女
夫婦同姓を定めた民法や戸籍法の規定は法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、東京都の事実婚の男女2人が10日、国を相手取って1人当たり50万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。別の事実婚の男女5人も、同様の訴訟を東京地裁立川支部と広島地裁に起こす。
訴状によると、東京地裁に提訴した事実婚の男女は、婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」の欄で双方の氏の欄にチェックを記入して都内の区役所に提出。夫婦同姓を定めた民法や戸籍法の規定により不受理となった。
男女は、夫婦別姓を望んだことで法律婚ができず、様々な不利益が生じていると主張。法制審議会が1996年に選択的夫婦別姓制度の導入を答申してから20年以上が経過しているのに、国は民法や戸籍法の改正を怠っていると訴えている。
夫婦別姓を巡っては、最高裁が2015年、「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」と定めた民法750条の規定を合憲と判断している。今回の訴訟では、同姓を望む男女と別姓を望む男女の間での法律婚の可否の差が、憲法違反に当たるかどうかが主な争点になるとみられる。